組込システムの自動テストシーケンス設計を容易に
vTESTstudio
vTESTstudioは、自動化されたECUテストを作成するための強力な開発環境です。テスト設計の効率を向上させ、再利用性を高めるために、vTESTstudioは、
- プログラミングベース
- テーブルベース
- グラフィカルなテスト表記とテスト開発方法
を提供します。
vTESTstudioはモデルテストからシステムの妥当性確認まで、すべての製品開発フェーズで使用することができます。vTESTstudioはオープンインターフェイスを使用しているため、サードパーティ製ツールと容易に統合できます。
特長
- 各種テスト設計エディターを使用することにより、幅広い用途に対応可能
- すべてのテスト設計エディターからアクセス可能なスカラー値、テストベクトル、Stimulationカーブを定義可能
- テストの作成、実装およびパラメーター化におけるバリアントをサポート
- モジュール構造に加え、ライブラリーやフォルダーの構造化により、メンテナンス性を向上
- HIL、SIL、MILなどのXILテスト環境シンボルへの直接アクセス
- 外部定義の要件およびテストの実装、レポート作成時における完全なトレーサビリティー
- パラメーター化されたTest Case Listにより、高いテストカバレッジを実現
- オープンインターフェイスにより、既存のツール環境と容易に統合可能
バージョン6の主な特長
- テーブルベースのエディターとグラフィカルなエディターの双方で分散オブジェクト(DO)サポートを拡張
- 新しいアドオン「TestUnitBuildCLI」を使用することにより、テストユニットをコマンドラインから自動生成
- C#プログラミングおよび外部ライブラリを使用するための.NET Framework 4.7に対応
- State Diagram Editor内でグラフィカル要素「Composite State」を使用することにより、Stateを階層化
- Test Case OverviewおよびTraceability Matrixから、設定したバリアントプロパティを実行プラン用にエクスポート
- CANoe Execution Adapterを使用してテストユニット用のバリアントプロパティを設定
適用分野
vTESTstudioは、開発のあらゆるフェーズにおいてECUテスト自動化の設計をサポートします。
Test Table Editor
Test Sequence Diagram Editor
Test Sequence Diagram Editorは、vTESTstudioのオプション「Graphical Test Design」が必要です。
Test Sequence Diagram Editorでは、グラフィック形式でテストを作成できます。vTESTstudioは、ダイアグラム内の各パスのテストケースを自動的に生成します。グラフィック表示のため、複雑なテストロジックも容易にレビューできます。
Test Table Editorで作成されたテストコードを各グラフィックエレメントの要素に割り当てることができます。このテストコードには、Test Table Editorと同じコマンドを使用できます。
State Diagram Editor
State Diagram Editorは、vTESTstudioのオプション「Graphical Test Design」が必要です。
State Diagram Editorにより、SUTの期待される動作を状態遷移図としてモデル化します。vTESTstudioはこのテストモデルからテストケースを自動生成します。テストケース生成のアルゴリズムは、チャイニーズ・ポストマン(CPP)探索や幅優先探索など、いくつかのアルゴリズムから選択できます。
Test Table Editorで作成されたテストコードを各グラフィックエレメントの要素に割り当てることができます。このテストコードには、Test Table Editorと同じコマンドを使用できます。
CAPL Editor
CAPL用とC#用の2つのプログラミングエディターでは最新の開発環境の機能を提供します。オートテキストコンプリート、構文の強調表示、エラー認識などの機能により、入力作業を効率化できます。
シーケンシャルテストフローやイベントベースのテストフローをCAPLとC#の両方のプログラミング言語で定義できます。イベントベースのテストフローは、テスト環境のイベントに反応する特別な言語要素(例:信号の前処理など)によって可能です。
テストをC#で実装する場合は、Microsoft Visual Studioを使用することもできます。この場合、vTESTstudioとの統合が可能です。
パラメーター/出力波形
Parameter Editor
Waveform Editor
バリアント処理
vTESTstudioでは、ECUバリアントとテストバリアントをサポートします。バリアントは、バリアントプロパティーとして表現されます。テストプロジェクト内では、ECバリアントの「Country [US, Europe]」やテストバリアントの「Coverage [Full, Regression]」など、必要な数だけバリアントプロパティーを定義できます。
バリアントプロパティーの値は、テスト設計時に定義しておくか、テスト開始前に設定します。バリアントに応じて、テスト構造とテストシーケンスおよびパラメーター値の両方を定義できます。これにより、テスト関数、パラメーター、およびライブラリー全体の再利用性が向上し、製品ラインを超えて使用できるという利点があります。
バリアント依存のテスト実行
バリアント依存のテストシーケンス
テストケース内の実行シーケンスでは、1つ以上のバリアントプロパティーに依存する場合があります。これは、対応するIf/Else文や、専用のグラフィカル要素を使用して作成できます。
バリアント依存のパラメーター
個別の値(ECUの構成パラメーターなど)がバリアントプロパティーに依存している場合は、これをParameter Editorで定義できます。さらに、バリアント依存のリストパラメーターの定義も可能です。たとえば、テストする温度のリストに設定する値は、バリアントプロパティー「Test depth」に依存する場合があります。完全なテストの場合、スモークテストよりも多くの温度値がテストされます。
テストの実行時には、実際のテストシーケンスを変更することなく、設定されたバリアントの適切な値が自動的に使用されます。
テストカバレッジ
Test Case List
テスト実行
CANoeでのテスト実行
テスト値には以下の2種類があります。
- タイプベースおよびルールベースのテスト値
これらのテスト値には、データベースに登録されているシグナルの属性(ビット長やデータ型など)が使用されます。この情報は、対象となるシグナルの極値(最小/最大)や特殊値(±∞など)を決定するために使用されます。 - ランダム値
ランダム値を利用すると、生成するテスト値の数を自由に増やすことができます。長期間のテストの場合は、無期限で生成することも可能です。
トレーサビリティー
vTESTstudioでは、外部定義された要件とテストスクリプトを実装中のテストケースやテストレポート内でトレースすることができます(トレーサビリティー)。これにはオープンなXML形式のファイルが使用されるため、任意のREQM/TDMシステムをvTESTstudioで使用することができます。
REQM/TDMシステムからエクスポートされた情報をvTESTstudioにインポートし、その情報をテストケースに関連付けることができます。関連付けに用いるエレメントには要件やテストスクリプトを使用することができます。これらをトレース項目と呼びます。
要件ベースのワークフロー
テストケースベースのワークフロー
テストケースの仕様がTDMシステムにあらかじめ含まれている場合、そのテストケース仕様がトレース項目としてvTESTstudioプロジェクトにインポートされます。この際、テストケース仕様はテストケースの実装に1:1でリンクされます。
トレース項目エクスプローラー
Traceability Matrix
vTESTstudioでは、外部定義された要件とテストスクリプトをテストの実装中やテストレポート内でトレースできます(トレーサビリティー)。これには事前定義されたオープンXML形式の交換ファイルが使用されるため、任意のREQM/TDMシステムをvTESTstudioで使用することができます。
REQM/TDMシステムからエクスポートされた情報(トレース項目)をvTESTstudioにインポートし、そこからテストケースにリンクできます。トレーサビリティーマトリクスでは、テスト設計全体のカバレッジを把握することができます。テストレポートには、テストケースにリンクされているトレース項目ごとに、対応するテストケースへの参照情報が含まれています。これによって、テストケースの結果から要件、テストスクリプトに遡ってのトレーサビリティーが可能になります。
サポートされるREQM/TDMシステム
概要
以下のシステムは追加設定なしでサポートされます。
- IBM Rational DOORSバージョン8.1以降
- IBM Rational DOORS NG/RQM
- Intland codeBeamer ALM
- Jama Connect
- PTC Integrity
- Siemens Polarion ALM
- その他サードパーティーシステムで使用可能なオープンインターフェイスを提供
その他のREQM/TDMシステムによるトレーサビリティーは、オープンな交換形式を利用した独自開発により実現できます。
Siemens Polarion ALM
Vector Polarion Connection Utilityは、ベクターvTESTstudioのアドオンツールです。これによってPolarion QA/ALMをベクターのテストツールチェーンに統合することができます。
Vector Polarion Connection Utilityの概要
ツールのデモ: 要求ベースのワークフロー
PTC Integrity Lifecycle Manager
Vector Integrity Connection Utilityは、ベクターvTESTstudioのアドオンツールです。これによってPTC Integrity Lifecycle Managerをベクターのテストツールチェーンに統合することができます。
Vector Integrity Connection Utilityの概要
ツールのデモ: 要求ベースのワークフロー
関連情報
推奨 | 最小要件 | |
---|---|---|
オペレーティングシステム | Windows 10/8.1/7 | |
CPU | Intel Core i5 with 3 GHz | Intel Core Duo with 2,6 GHz |
メモリー(RAM)* | 4 GB | 1 GB |
ハードディスク容量 | 1.5 GB | |
画面解像度 | 1280 x 1024 | 1024 x 768 |
CANoe* | 13.0 | 11.0 SP3 12.0 |
*vTESTstudioで使用できる 機能の範囲はCANoeのバージョンに依存します。
動画
vTESTstudioに関する動画のご紹介(英語版)
ダウンロード
トレーニング

ベクター・ジャパンでは、ベクターのソフトウェアツール、ソフトウェアコンポーネント、最新のバステクノロジーやプロトコルに関する日本語のトレーニングを多数開催しております。トレーニングの概要につきましては、トレーニングポータルにてご紹介しておりますので、是非ご覧ください。