vSignalyzerの概要
vSignalyzerは、あらゆるタイプの測定データを効率的に評価および解析できる便利なツールです。データの視覚化から手動または自動での解析およびレポート機能に至る、さまざまな機能を備えています。
ネットワーク開発、解析、ECUキャリブレーション、物理値の取得の間に記録された測定データを各種ファイル形式から読み込むことができます。豊富 な関数ライブラリーと統合されたデータ解析機能を使用して、重要事項に焦点を絞って手動または自動で測定データを評価することができます。また、その結果 を文書化するための強力なレポート機能と印刷機能を備えています。
特長
- 取得した測定データの表示を使いやすく設定することが可能
- 大規模な測定ファイルでも効率的に操作可能
- vSignalyzerとvMDM (Vector Measurement Data Management)の間の直接リンクにより、一元管理されている測定データに容易にアクセス
- データ解析関数を使用して、特定の条件に従いあらゆる規模のデータを自動解析
- ローカルワークステーション上のMDFファイルにインデックスを付けることにより、測定データを高速かつ簡単に検索
- 豊富な数学関数ライブラリーを利用してデータ解析を実行
- 解析結果について良質なレポートの作成と文書化
自動データ解析およびレポート
vSignalyzerを使用することで、ユーザーの業務に関連する測定データにフォーカスすることができます。また、解析プロセスを制御するため のパネルを簡単に作成でき、それらのパネルを使用して測定結果を視覚化できます。さらに、豊富な評価機能とデータ解析計算もマウスを数回クリックするだけ で完全に自動化および実行が可能です。そのため、使用経験の浅いユーザーもvSignalyzerを使用すれば複雑な解析を行うことができます。高度の自動化により、たとえば一晩かけて取得した膨大な測定データファイルも評価することが可能です。
vSignalyzerには、測定結果をすばやく簡単に印刷したり、レポートに挿入することができる便利な機能があります。また、評価中でも印刷 ビューに切り替えることで、最新の印刷プレビューを確認することができます。ドラッグ&ドロップ機能を使用して、測定結果をWordやPowerPointなどの外部ツールに簡単に貼り付けることも可能です。
バージョン19.0の主な特長
- eMobility-Analyzerでは、電気モーター開発に必要なすべてのパラメーターを、専用コンポーネントを使用せずに計算可能
- 機能設定用のダイアログが標準化され、よりユーザーフレンドリな操作が可能に
- 複数のXYペアを1つのグラフィックWindowに表示させ、容易に比較可能
- オブジェクト指向のオーバーレイを可能にする新しい/改良されたGFXオブジェクトを提供
- vMDM 3.0はファイルの添付と測定ファイルの変換をサポート
- vSignalyzerはCANapeまたはDYNA4のライセンスで実行可能
サポートする測定ファイル形式
vSignalyzerは以下のようなさまざまなファイル形式の測定データを処理することができます。
- MDF-3.x、ASAM MDF-4.x、INCA DAT、XLS、XLSX、MATLAB MAT 7.3、HDF5、TDMS
vSignalyzerで直接処理できない下記のファイル形式については、対応するインポートコンバーターを利用すれば自動的に変換され、vSignalyzerにファイルがロードすることが可能です。
- BLF、ASC、LOG、ASCII、ATF、ATFX、CC3、CLF、CSV、GLX、GPX、KME、NMEA 0183、 PCAP、TTL、XLG
その他のファイル形式での測定ファイル処理が必要な場合、vSignalyzerはMDFファイルを下記のようなファイル形式に変換することも可能です。
- ASCII、ATF、MATLAB (M/MAT)、DIADEM、Excel
オプション
オプションドライバーアシスタンスによって、先進運転支援システム(ADAS)および自動運転システムの開発者は、ログ記録したセンサーデータをビデオWindowで同期的に可視化することができます。この際、センサーデータを遠近図でビデオイメージの上にグラフィックオブジェクト(矩形や線など)としてスーパーインポーズするほか、側面図や俯瞰遠近図で可視化することもできます。
このビデオイメージに基づき、システムがACC、車線検出システム、パーキング支援システムなどのレーダーシステムであるかどうかにかかわりなく、収集したデータを検証し、システムの信頼性や操作上の安全性を客観的に評価することができます。
取得されたデータは、ビデオイメージにオーバーレイ表示されるだけでなく、地図上の正確な位置にも表示されます。オンラインの地図素材はOpenStreetMapの利用が可能です。OpenStreetMapや昭文社スーパーマップルGのオフライン地図も使用できます。
- テクニカルデータの詳細についてはプロダクトインフォメーション(PDF)を参照してください
vMDM (Vector Measurement Data Management) は、開発、テストベンチの運用、車両テストで発生する大量のデータを効率的に管理するためのソリューションです。vMDMを使用することで、測定データを安全に保存し、不正アクセスから守り、分散したチーム間で簡単にデータのやりとりができるようになります。また、CPU集約型の大規模な解析、分類、レポートがサーバーから一元的に実施され、エンジニアのワークステーション上での計算処理は一切必要ありません。
機能概要
- テストベンチ、走行テスト、耐久テストから得られた測定データの安全な保存
- ユーザー固有のアクセス許可を設定したコレクションにデータファイルを格納することによるデータの保護
- 測定データの簡単な検索、フィルタリング、表示
- インポートする測定データへの自動的なインデックス付け
- 測定の属性、計算されたメトリック、他のシステムから提供されたデータが含まれたメタデータに基づく、データへの柔軟なインデックス付け
- ユーザーのPCに計算負荷を一切与えない、vMDM Server上での自動的なデータ解析とデータマイニング
- 測定データと統計解析に関するプロジェクト固有のレポート
- マルチユーザー環境のためのスケーラブルなソリューション
- ベクターのツール群とのシームレスな統合による、使い慣れた作業環境。普段使用するvSignalyzerやCANapeでスクリプト、データ解析、データマイニング機能を定義
- クラウドベースの運用による、IT投資と運用コストの最小化
テクニカルデータの詳細についてはプロダクトインフォメーション(PDF)を参照してください
あらゆる空調や冷却システムの開発およびテストにおいて、圧力や温度などの物理的変数がテストベンチやテスト車両で記録されます。そして、他の測定シグナルやECU内部値も同時に記録されることが一般的です。空調技術を担当するエンジニアは、システムの設定、および採用されている部品や冷却液を評価するために、熱力学データを視覚化する特有の手段が必要です。
vSignalyzerのオプション Thermodynamic State Chartsを使用すれば、熱力学データを他の測定データと同期を取りながら表示することや、極めて有益な情報が得られる状態図を生成して、オフライン解析に利用することも可能になります。
機能概要
- 多様なデザインの状態図に応じたさまざまな設定を選択可能
- 専門企業であるTLK-Thermo社の豊富なTILMedia 物質ライブラリーから熱物性を選択し、実在気体と混合気体の両方に使用可能
- 状態図のオンライン計算と、それに対する等値線の個別の適合
テクニカルデータの詳細についてはプロダクトインフォメーション(PDF)を参照してください
関連情報
ファクトシート:
- 製品の概要(PDF)
プロダクトインフォメーション:
- vSignalyzer(PDF)
- CANape オプションドライバーアシスタンス (PDF)
- Option vMDM (PDF/英語版)
- Option Thermodynamic State Charts (PDF)
コンポーネント | 推奨要件 | 最小要件 |
プロセッサー | Intel Core i5 3.0GHz以上 | Intel Core 2 Duo 2.6GHz |
メモリー(RAM) | 16GB(タスクによってはシステム要件が厳しくなることがあります。詳しくはvSignalyzerのサポート担当者にお問い合わせください) | 8GB |
ハードディスク容量 | 10GB以上(使用オプションおよび必要なオペレーティングシステムコンポーネントによって異なる) | |
画面解像度 | 1600 x 900 | 1024 x 768 |
グラフィックカード | DirectX 9.0c以上 | |
オペレーティングシステム | Windows 10(64ビット)/Windows 11(64ビット) |
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