vMeasure expの概要
vMeasure expはラボで、試験装置で、そしてテスト走行や耐久試験中にエンジニアを効率よくサポートする、柔軟性の高い測定ソフトウェアソリューションです。 vMeasure expを使用することにより、物理値、ECU内部シグナル、車両バス経由で送信されたシグナルを簡単に記録できます。記録したデータから有意義な解釈を得 るには、走行ルートの位置情報(GPS)やビデオデータも併せて必要になります。OBDシグナルを測定してECUの状態を確認する作業も、測定エンジニア の標準的な作業の1つです。
vMeasure expではこれらすべてのデータを同時に、しかも効率的に記録できます。測定コンフィギュレーションを作成し、測定Windowを設定して、実際の測定タ スクを開始する作業がわずか数クリックで完了します。CSM社のCSMconfigなどのサードパーティー製ハードウェアに対応する設定ツールが統合され ているため、測定の設定も簡単です。包括的なトリガーオプションとプレトリガー/ポストトリガー時間をマルチレコーダーコンセプトと併せて使用すれば、 データの柔軟な記録が可能です。
特長
- 物理値、ECU内部データ、ビデオ、GPS、バスデータの時間同期取得
- グラフィック、数値、テキストの各Windowと、ユーザー定義可能なパネルによる、最適かつユーザーフレンドリーなシグナル表現
- 異なる測定ハードウェアシステムやバステクノロジーのシグナルを同時測定することで、システム全体を網羅的に解析可能
- 測定データのスループットが高く、測定タスクの実行に事実上制限なし
- 入力シグナルのサンプリングレートに関わらず、測定中でも複雑な演算が可能なため、測定中および測定後の測定結果の解析が大幅に簡素化
- 広範な関数ライブラリーである「eMobilityAnalyzer関数パッケージ」により、仮にプログラミングやスクリプト作成のスキルがなくても、定義済みの数式を使用可能
- ローカルワークステーション上のMDFファイルにインデックスを付けることにより、測定データを高速かつ簡単に取得
- 任意のメーカーの測定ハードウェアをDAIOインターフェイス経由で統合できる、オープンなプラットフォーム
- マルチレコーダーコンセプトによって記録チャンネルを柔軟に、しかも個別に保存できるため、効率的な測定が可能になり、重要なシグナルに集中できる
- OBD-IIサービスを用いた測定による診断をサポート
- MDF4形式は測定シグナル数が100,000超、容量が4GB超のファイルに対応するため、測定ファイルのサイズは事実上無制限
- スクリプトによる自動化で効率的な処理が可能
- ドラッグ&ドロップでDBCファイルを素早く取り込み、測定コンフィギュレーションを拡張
機能
- 記録するシグナルソースと接続するバスシステムを直観的に設定
- 測定コンフィギュレーションを共同作業者と簡単に共有
- グラフィカルなインターフェイス、関数ライブラリー内の関数、MATLAB/Simulink、C-DLL、カスタム関数などを使用して、仮想シグナル用の数式を簡単に作成
- 定義された測定シグナルのリストとレコーダーの設定に基づいて、測定を開始/停止/一時停止
- アナログ物理値、ECU、バスシステムを測定しながら、カメラと位置情報を使用して周囲の状況を同時に記録
- 4GBを超えるファイルでも、標準規格のASAM MDF4形式で測定データを保存
- グラフィックWindow、表、棒グラフ、数値表示、マップ、ビデオWindowなど、測定値をリアルタイムで視覚化するための汎用的なオプションを装備
- 測定中以外にも測定値のライブ表示が可能であるため、測定設定の中で配線やセンサーを簡単にチェックできる
- 測定中にシグナル値にコメントでマーキングすることにより、異常な値を容易に識別
- 多様なWindow、ユーザー定義可能なパネル、XY画面へのシグナルの経時的な表示
- ズーム(拡大縮小)、検索機能、測定カーソルにより、シグナルプロセスを手動で調べることが可能
- オフライン解析に対するコメントの挿入
- 測定データからのシグナルを同期ビデオと併せてエクスポート
- ASCII、Excel、MATLABへのデータのエクスポート
- 包括的な印刷およびPDFエクスポート機能を持つほか、テンプレートは個別にカスタマイズ可能
- Windowの内容や表示ページ全体をWordやPowerPointにドラッグ&ドロップで簡単に挿入できるため、文書化がスピードアップ
バージョン5.0の主な特長
- 高速サンプリングされた測定シグナルを取得(最大1MHz)
- サンプリング周波数が1MHzの電圧および電流値から三相電気モーターの電力を計算するなど、オンラインでの演算処理が可能
- Vector Time Synchronization Service (VTSS) により、インターフェイス、CSMの測定モジュール、その他の測定手法を正確にPTP時間同期
- 高いデータレートと高速の測定シグナルに合わせてトリガー機能を強化
- eMobilityAnalyzerライブラリにHarmonics、Inverter Efficiency、PWM Power Analysisなどの新しい関数を追加
eMobilityAnalyzer関数ライブラリー
新しいeMobilityAnalyzer関数ライブラリーは、高電圧領域のスケーラブルな測定ソリューションの中心となるライブラリーです。CSM測定モジュールを用いて、最大1MHzのサンプリングレートで分散測定した電圧および電流シグナルから、パワートレイン、HVコンポーネント、電気システムなどの重要な特性をオンラインで演算処理できます。
- Charger Efficiency:送電網から直接電力が供給されるオンボードチャージャーの効率を算出
- DC Analysis:実効電力およびエネルギー、DC領域の電圧と電流に対するリップルを算出
- DC Efficiency:テスト対象コンポーネントの入出力の電圧および電流を入力パラメーターとし、効率を算出
- e-Motor Power Analysis:スターまたはデルタ結線を使用する3相電気モーターの有効電力、皮相電力、無効電力、力率、電気的速度、総エネルギーを算出
- e-Motor Y-Delta:スターデルタおよびデルタスターの変換を実施
- Ripple:任意の入力シグナルの変動に関するパラメーターと、その平均値および実効値を返す
- Shaft/Axle Power:外部センサーから得られる速度およびトルクを入力パラメーターとし、シャフト/車軸の機械的エネルギーまたはパワーを算出
対応するインターフェイス
- CAN(最大ボーレート2Mbps:一部のCSM計測ハードウェア)、CANFD、Ethernet、FlexRay、LIN用のベクターのすべてのネットワークインターフェイス
- PCのEthernetインターフェイス
- DAIOインターフェイス(任意の測定ハードウェアの接続用)
- XCPonCAN、Ethernet、LIN、FlexRay経由でのECUの接続、またはXCPonEthernetベースの測定およびキャリブレーションハードウェアであるVX1000と、マイクロコントローラー固有のデータトレースおよびデバッグインターフェイスを用いたECUへのアクセス
対応する測定ハードウェア
- ベクターのネットワークインターフェイスのアナログおよびデジタルI/O
- CSMのCANおよびEtherCATベースの計測ハードウェア
- CAETEC、ETAS、IMC、IPETRONIK、NIの計測ハードウェア
- USBベースのGPSデバイス
- DirectShowインターフェイスを持つビデオカメラ
関連情報
要素 | 推奨 | 最小要件 |
CPU | Intel Core i5 | Intel Core 2 Duo |
メモリー(RAM) | 8 GB | 4GB |
ハードディスク容量 | 1 GB以上(必要なオペレーティングシステムコンポーネントによって異なる) | |
画像解像度 | 1280 x 1024 | 1024 x 768 |
グラフィックカード | DirectX 9.0c以上 | |
オペレーティングシステム | Windows 10(64ビット)/Windows 11(64ビット) |
すぐに結果を取得 - vMeasure expで複雑な測定タスクを正確に解決
新しいソフトウェアツールvMeasure expで、さらに複雑な計測タスクを簡単かつ効率的に実行できるようになりました。計測の設定コンフィギュレーションから計測データの取得、グラフィカル評価まで、vMeasureは日々の開発作業のための理想的なサポートツールです。
vMeasureを用いた計測コンフィギュレーションの設定、修正、拡張がいかに簡単に行えるかをご紹介します。また、ユーザーフレンドリーな、ビジュアル化された計測データへのアクセスについてもご紹介します。スクリプトと数式エディタを用いて、要求の厳しい計測タスクのためのツールとその効率的な使用方法について学びます。
視聴時間:56分
対象者:キャリブレーションエンジニア、計測エンジニア、テストフリートまたはロガーオペレータ、テストエンジニア、車両およびECU開発者、テストベンチ監督者、リサーチエンジニア、品質管理スペシャリスト