vFlash - CAN、CAN FD、FlexRay、LIN、Ethernetバスで利用できるECUリプログラミングツール
vFlashは、複数のECUのリプログラミングにも対応した非常に使いやすいツールです。テンプレートを入れ替えることにより、さまざまな自動車メーカーのリプログラミング仕様(フラッシュブートローダ―仕様)に対応でき、すでに99以上の自動車メーカーの178種類以上のテンプレートをご用意しています。このプラグインコンセプトにより、ひとつのツールで複数の開発に利用できます。
特長
柔軟性
- 診断通信で使われるすべてのバスに対応したリプログラミング:CAN、CAN FD、LIN、FlexRay、Ethernet(DoIP, SoAd = AUTOSAR Socket Adaptor)
- 多くの自動車メーカーのリプログラミング仕様をサポートしているので、ひとつのvFlashで対応可能
簡単操作
- リプログラミング環境をひとつのパッケージ(.vflashpack)としてひとまとめにすることで、リユースが簡単
- vFlashテンプレートとして自動車メーカーのリプログラミング仕様をサポートしているので、リプログラミング環境の構築が簡単
高速
- 高速データ転送:例. 500kbps、STmin=0、BS=0のCAN ECU 36.6秒で1,000kBのデータ転送(27.3kB/s)
洗練
- さまざまなデータ形式をサポート
- GUIによる操作、またはリプログラミング実行部分をライブラリとして他のアプリケーションで利用
- リモートリプログラミング対応
適用分野
vFlashは、自動車メーカーやサプライヤーでECUのリプログラミングに携わるすべての方に向けたツールです。ECUの開発段階から実際の車両に組みつけられたECUのリプログラミングにも対応しています。
vFlashはグラフィカルユーザーインターフェイスから制御することも既存環境のライブラリとして簡単に統合することもできます。「vFlash Station」エディションでは、別々の通信チャンネルを使用し、最大8個のECUを同時にフラッシングすることが可能です。
vFlashブートローダーのサポート
ベクターは、さまざまな自動車メーカーやブートローダー用のvFlashテンプレートをご用意しています。
バージョン7の主な特長
vFlashオプションRemote
リモートでの利用においてもOEM固有のセキュリティメカニズムをサポートしました。遠隔地の車両側ではなく、エキスパート側で処理を行います。
オプションRemoteのための新しい通信インフラストラクチャ:ユーザーアカウントの管理を一般的なセキュリティアセスメントをクリアした環境で、ユーザー自身が管理できるように変更
DoIP関連アップデート
OEM固有の車載Ethernet/DoIPプロトコルをサポート 例:Volvo Car
設定を容易に:vFlashから通信アダプタを直接選択かつ、全ての通信に必要な設定とプロパティを判り易く表示
ユーザー定義のテスター用MACアドレスの使用(オプション)
その他の更新ポイント
vFlashはすでに多くのOEM固有ODX-Fをサポートしています。(例:シグネチャーファイル対応)バージョン7では、複数のODX-F(EcuMems)として用意されたリプログラミングセッションを一度の実行でシーケンシャルに実行
新しく追加された”Statistic View”では、リプログラミング実行後すぐに一連の処理でどの部分にどれだけ時間がかかっていたのかを視覚的に表示、改善ポイントを見つけるヒントに
マツダ指定の最新のvbfリプログラミングフォーマットにもいち早く対応
その他機能
- 開発フェーズでアプリケーションのソースコード更新や変更をECUで確認したい場合、あらかじめ作成しておいたvFlashプロジェクトのデータファイルを上書きすることでプロジェクトを再作成することなくリプログラミング
- リプログラミング失敗のケースで原因解析用にCAN通信をロギング
- ベクターツール共通の自動車メーカーまたはサプライヤーごとのSecurity Manager Sourceをツール認証に採用
- TLS(ISO 13400-3)によるDoIP通信の暗号化
- “Custom Actions”として、自動車メーカーのリプログラミングシーケンスの前後で、ユーザー独自の処理を追加可能
- Intel-Hex、Motorola-S、バイナリーなどのデータ形式を用いるリプログラミングと、ODX-Fなどのコンテナー形式や自動車メーカー固有のリプログラミングをサポート
- Custom Actionを利用したリプログラミング結果のレポート化
- Custom Actionによるデータリカバリーのためのエンコードまたはバックアップ
- 圧縮データやデータ暗号化によるリプログラミング
- vFlash GUIでのリプログラミング環境構築と実行の他、実行エンジンをライブラリ(C言語またはC#言語API)として開発から評価/生産フェーズの既存ソフトウェア環境に実装可能
- CANoe.DiVaと組み合せて、ECUのフラッシュブートローダー(CAN、FlexRay、DoIP、LIN)の振る舞いを自動評価
- インテリジェントな診断デバイス VN8810をプラットフォームとしたPCレスのスタンドアローンリプログラミング
- “vFlash Station”エディションでは、個別通信バスの最大8ECUの並行リプログラミングが可能
- “LIN Broadcast Flashing”機能による複数LIN ECUの同時リプログラミング
- vFlash Remoteにより、任意の場所のECUをリモートリプログラミング(ユーザー企業ネットワーク外にも対応)
リモートリプログラミング
vFlash Remoteにより、診断を行うユーザーは、場所に左右されることなく、ECUをリモートでリプログラミングできるようになります。
ユーザーには、高いレベルの柔軟性と信頼性に加え、以下のようなメリットが与えられます。
- リモートでのECUのリプログラミングを、場所に左右されることなく、また組織としての手間やコストをかけずに、簡単に実施
- 特に、一般道でのテスト走行や海外の量産工場など、評価や製造フェーズで高い自由度と柔軟性を提供
- 単にインターネットに載せただけではなく、安全で信頼できる手順を提供
- 通信インフラストラクチャーのセットアップが極めて容易
- 標準vFlashで作成済みの既存のリプログラミング環境(.vflashpack)をリモートでも再利用することにより、効率向上とコスト削減が可能
vFlash Remoteは開発者が自分のオフィスで実行するものです。リプログラミング作業は開発者側でハンドリングします。Access Pointアプリケーションはターゲット車両またはECUのある場所で動作し、その現場でECUソフトウェアのリプログラミングが行われます。
リモートインターフェイスとしては、以下のふたつの経路が利用可能です。
- vFlash Access Pointがあらかじめ組込まれているインテリジェントな診断デバイスVN8810 Diagnostic DeviceをPCレスで使用する
- vFlash Access Pointアプリケーションとネットワークインターフェイスを搭載したWindowsベースのPCを使用する
vFlash Access Pointのダウンロードは、”Download Access Point”タブにあるリクエストフォームにご入力いただき送信ください。
vFlash RemoteとvFlash Access Pointの間のリモート接続は常に暗号化され、フラッシュデータが第三者に見られたり、操作されたりすることはありません。さらに、Access Pointへのフラッシュデータの転送はECUのリプログラミングとは別に行われます。リプログラミングはフラッシュされるデータが完全にAccess Pointに転送され、適合性チェックに合格するまで開始されません。
また、フラッシュ実行中の進捗状況がAccess Pointから継続的に操作側のvFlash Remoteへ送信、完了後にはあらかじめ決められたECU情報がフィードバックされるほか、リプログラミング結果のレポート生成もオプションで選択できるなど、単純なリプログラミング実行だけでなく一連の作業をサポートできるよう考えられています。
vFlashと同様に、vFlash Remoteには、自動車メーカー固有のリプログラミング仕様を実装したフラッシュテンプレートを使用します。現時点で80社を超える自動車メーカー向けに、150種類以上のテンプレートが用意されています。
vFlash Remote Access Point - Request Download
サポートするハードウェアインターフェイス
インターフェイス | CAN(FD) | FlexRay | LIN | Ethernet (DoIP, SoAd) |
VN16XX | X | X | ||
VN8810 (スタンドアローンのリプログラミングデバイスとして) | X | X | X | |
VN5610A、VN5620、VN5640 | X | X | ||
VN7572、VN8970、VN8972 | X | X | X | |
VN7600、VN7610 | X | X | ||
VN7640 | X | X | X | X |
VX10xx | X(1) | X(1) | ||
VX0312 | X | X | ||
PC interface | X(2) |
(1) = CANおよびFlexRayオプション選択時
(2) = SoAdプロトコル未対応
vFlashエディション
診断仕様を診断データベースに定義するために必要なすべての重要な機能を備えています。テンプレートにて、ECU識別子、エラーの読込みおよび消去などの診断データと使用する診断サービスは自動的に組み合わされるように定義されています。
【対象者】 診断プロセスに関わるすべての方に、CANdelaStudio Standardをお勧めします。
標準vFlashは、CAN(FD)、LIN、FlexRay、Ethernet(DoIP、SoAd)プロトコルで、1 ECUをターゲットにリプログラミングを行うエディションです。PCアプリケーションの他、以下の製品でも実行可能です。VN8810、VN89xx、VTシステム。
- PCの場合、製品のグラフィカルインターフェースを使ってリプログラミング環境の設定と実行します。別の方法として、vFlashのリプログラミング実行エンジンのみをユーザーのアプリケーションに実装できるよう、シンプルなCまたはC#言語のAPIが用意されています。
- VN8810をプラットフォームにした場合、スタンドアローンリプログラミングデバイスとなります。
- VN89xxまたはVTシステムの場合は、CANoeからの制御になります。このケースは、CANoeで実行される広範囲は自動テストシナリオから、対象ECUのリプログラミングが必要な場合にvFlashするといった用途を想定してます。(例: テスト用ソフトウェアと実ソフトウェアの切り替え)
vFlash Stationエディションは、最大8ECUを並行してリプログラミングを行うものです。それぞれのチャンネルでCAN(FD)、LIN、FlexRay、Ethernet(DoIP)が混在可能です。PCのみ対応です。ユーザーが新規または別の用途で用意しているアプリケーション内に実装することを前提としたGUIのないライブラリ製品で、シンプルなCまたはC#言語のAPIが用意されています。
納品される製品には、いくつかのシンプルなサンプルアプリケーション(C++またはC#)を含んでいます。サンプルを参照することで、リプログラミングを含んだ一連の独自作業を構築が可能です。
vFlash Remoteは、標準vFlashの追加オプション製品で、遠隔地にあるECUのリプログラミングを実現します。追加オプションなので、同じバージョンの標準vFlashライセンスが必要です。ECUまたはシステムの開発者は、自分のオフィスから地球上のどこかまたは別サイトの開発現場にあるターゲットをリモートでリプログラミングできます。リプログラミングを実行する側にのみvFlashオプションRemoteのライセンスが必要です。ターゲットのあるリプログラミングされる側では、Vector Remote Access Pointを準備します。Access Pointは、Vector Webサイトで無償でダウンロードいただけます。
関連情報
- 製品の概要(PDF)
新ライセンス形態でのご利用について(PDF)
vFlashスタンダードバージョン
推奨 | 最小要件 | |
オペレーティングシステム | Windows 10 (≥ version 1803) | |
CPU | インテル互換 > 2GHz ≥ 2 コア | インテル互換 1GHz 2コア |
メモリー(RAM) | 4GB | 2GB |
画面解像度 | > 1280 x 1024 | 1024 x 768 |
vFlashステーション
Recommendation | Minimum | |
オペレーティングシステム* | Windows 10 (≥ version 1803) | |
CPU | インテル互換 > 2.5GHz ≥ 4コア | インテル互換 1GHz 2コア |
メモリー(RAM) | 8GB | 4GB |
画面解像度** | - | - |
* 仮想OSを除く。仮想マシン上での実行は可能ですが、テストは行われておりません。仮想化により、ベクター製ハードウェアの動作に遅延時間が大きくなるなどの影響が生じるおそれがあります。
** ライブラリのみ、グラフィカルユーザインタフェースはありません
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