プロダクトラインとバリアント管理で効率的なE/E開発

PREEvisionのプロダクトラインのアプローチにより、ライブラリーと設計の再利用による効率的なE/E開発が可能です。
バリアント管理の使用により、車種や個々の車両仕様・オプションをプロダクトラインから導出することができます。
特長
- 包括的なプロダクトラインのコンセプト
- プロダクトラインに基づく一元的なライブラリーを開発のベースに使用可能
- 関連する設計要素の再利用
- 開発ブランチ間の依存関係に対応する抽象化コンセプト
- 設計要素およびモデルのサブセットの柔軟な融合
- プロダクトラインから実際の車両までをカバーするバリアント管理
- Feature-Oriented Domain Analysis (FODA)
標準のモジュールとコンポーネントを管理するライブラリーが、構造的かつ効率的な開発を、無駄なく実施する基盤となります。
機能概要
ライブラリーとビルディングブロック
ライブラリーで管理されているコンポーネントは、複数の設計要素や機能からなるビルディングブロックまたは集合(セット)としてまとめることができます。ビルディングブロックは、たとえばエンジン制御用のビルディングブロックのように、ハードウェアとソフトウェアのコンポーネントから構成されたもので、これをひな形にさまざまなプロダクトラインで使用することができます。その後、プロダクトライン全体を開発ブランチとして開発を進め、後からそれらを統合することができます。
あるプロダクトラインのE/Eアーキテクチャーが持つすべての特性をグラフィカルエディターやテーブルエディターで記述すると、1つの車種に搭載しうるすべてのE/E装備のフィーチャーを備えた、150%モデルが生成されます。これにはたとえば、各種のパワートレイン技術を相互排他的に採用するケースなどが含まれます。具体的な車両仕様・オプションはこれから導出することができます。
変更およびバージョン管理
PREEvisionには、統制のとれた変更管理を行うために、変更要求と欠陥報告のためのチケットシステムが用意されています。また、設計要素をリビジョンとブランチを用いてバージョン管理できます。
他の開発拠点とも競合なく並行作業できるPREEvision Collaboration Platform,との連携により、複雑なE/Eプロジェクトも追跡可能な形で遂行できます。
データのマージ
個々の設計要素、コンポーネント全体、プロダクトラインを開発ブランチで開発する際や、インポートしたデータを統合する際には、PREEvisionの詳細な比較ビューを利用できます。
データを制御しながらのマージも可能で、これによって、どのデータをマージし、どのデータを上書きするかをきめ細かく決定することができます。過去のバージョンの比較や復元も可能です。
バリアント管理
あるプロダクトライン (150%モデル) から車種(120%モデル) を導出し、そこから具体的な車両仕様・オプションを導出することができます。PREEvisionでは、バリアントをフィーチャーモデル (FODA:Feature-Oriented Domain Analysis) に基づいて、あるいはEquipment Template(装備テンプレート)とそのAlternative(選択肢)を利用して導出できます。
資料
テクニカルアーティクル
E/Eエンジニアリングにおけるプロダクトラインおよびバリアント管理
自動車業界の電気/電子(E/E)開発では現在、ほぼすべてにプロダクトラインのアプローチが使用されています。このアプローチはある特定の車両モデルだけでなく、多彩な駆動方式、ボディー、機器バリアントを持つ車両ファミリー全体を開発対象とするため、そういった開発対象、すなわちプロダクトラインを指して、「E/Eツールボックス」や「E/Eプラットフォーム」などと呼ぶことがよくあります。ここではそのようなタイプのE/Eプロダクトラインを始点とし、システムとコンポーネントをそれに割り振って、さまざまな車両モデルのバリアントに対応する必要があり、そのため効率的なバリアント管理が開発には不可欠です。