DBC、LFD、FIBEX、Ethernet

PREEvisionはベクターのAUTOSARツールチェーンに属する製品です

PREEvisionは、CAN、CAN FD、LIN、FlexRay、Ethernetのどのバス経由で転送されるデータエレメントについても、AUTOSARに対応した通信設計をサポートします。

 

特長

  • CAN、CAN FD、LIN、FlexRay、Ethernetのサポート
  • データエレメントからシステムシグナルへのシステムシグナル/データのマッピング
  • シグナル、データマッピング、シグナルのルート(通信経路)の自動作成
  • 数々のルーティングのオプションと差分ルーティング
  • LDF、DBC、FIBEXなどの標準フォーマットのサポート
  • ISO 11783 (ISOBUS) を含むJ1939のサポート
  • 他のベクター製ツールとの統合

ユースケース

ネットワーク上の物理シグナルは、いずれも通信レイヤーで定義されます。これに対応するため、PREEvisionはCAN、LIN、FlexRay、Ethernetの各バスシステムをサポートします。これらは、ネットワークダイアグラムでトポロジーを混在させてモデリングすることも可能です。

通信設計ワークフロー

通信レイヤーでは、シグナル、PDU、フレーム、スケジュールを定義しますが、そのための機能として、テーブルエディターのほか、シグナルルーターをはじめとする自動化機能が用意されています。サービス指向アーキテクチャーのバステクノロジーとしては、Ethernetをサポートします。

機能概要

Signal Mapping

AUTOSARでは、バスを介したこのデータエレメントの通信をシステムシグナルで表します。これら2つの要素の連携を追跡するには、ソフトウェアレイヤー上のデータエレメントから通信レイヤー上のシステムシグナルへのマッピングのリンクを定義することが必要です。AUTOSARではこれをデータマッピングと呼びます。

シグナルルーター

ネットワークダイアグラムでは、シグナルルーターで定義された通信経路をハイライト表示できます

このシステム記述フェーズでもう1つ重要なのが、個々のシステムシグナルが通るルートの定義です。シグナルルーターは通信マトリックスの完成を支援します。

シグナルルーターは、シグナルとそのデータエレメントの最善の通信経路を計算します。シグナルルーターにより、通信のための多数の設計要素が自動的に生成されます。数々のルーティングオプションや差分ルーティングに加えて、すべてのシグナルの通信経路をネットワーグのダイアグラムにグラフィカルに表示できます。

CAN, CAN FD, LIN and FlexRay

CAN、CAN FD通信のためのPDUレイアウトとフレームレイアウト

バス上でシステムシグナルを送信するには、さらに細かい定義が必要になります。その際、各バスセグメントはそれぞれの通信プロトコルに応じて設定します。

この設定を構成する要素の1つがPDUレイアウトとフレームレイアウトです。このフェーズではシグナルがPDUに割り当てられ、それがフレームに割り当てられます。

データ型、送信モード、初期値、スケジューリング、ネットワークマネジメント、トランスポートプロトコルなどの他の通信属性も定義されます。フレーム、PDU、シグナルの作成および編集には、専用のエディターが用意されています。CAN、CAN FD、LIN、FlexRay用の、プロトコル固有のエディターも利用できます。PREEvisionは他ツールとの連携のため、AUTOSARのほか、LDF、DBC、FIBEXなどの形式もサポートします。

パーシャルネットワーキング

パーシャルネットワーキングにより、アーキテクチャーの一部を一時的にスイッチオフし、リソースを節約することができます。PREEvisionではこれを行うため、コントロールおよびステータスポートを通じてオン/オフおよびモニターが可能なクラスターを定義します。

Ethernet

PREEvisionにおける車載Ethernet通信のためのサービスと通信設計

Ethernetは自動車のバステクノロジーとしての採用が広がりつつあります。PREEvisionは車載Ethernet通信のための、AUTOSARに対応したサービスと通信設計をサポートします。シグナルルーターではVLANを定義できるほか、定義したVLAN用の通信パスも計算できます。

J1939

商用車用、農業機械用の通信設計

PREEvisionは商用車用のCANネットワークプロトコルであるSAE J1939 を、農業機械用の ISO 11783 (ISOBUS) も含めてサポートします。 ISOBUSにより、さまざまな作業機を、トラクターの運転台から、統一された方法で簡単に制御することが可能になります。これに必要となる、CANマルチプレクスの拡張もサポートされます。

AUTOSARツールチェーン

PREEvisionは ベクターのAUTOSARツールチェーンに属する製品で、CANoeDaVinci DeveloperDaVinci Configurator Pro などのツールとの連携が可能です。

AUTOSAR対応のソフトウェア/通信設計をサポートするベクター製ツールと交換フォーマット

資料

テクニカルアーティクル

サービス指向アーキテクチャー(SOA)と車載Ethernet

自動車を「走るデータセンター」に ~ 開発を支えるモデルベース手法 ~

サービス指向アーキテクチャー(SOA: Service-Oriented Architecture)は、長らくIT業界で分散システムの記述と構造化に使用されてきました。近年、このサービス指向の設計は自動車業界でも急速に存在感を増しており、「自動車にも、スマートフォンで使えるような一連の機能を導入したい」という声の高まりに応えるためには欠かせない手法となっています。しかし、自動車業界におけるSOAは、モデル保守から自動運転やV2X通信などのテクノロジー導入に至るまでの、新たなる要求にも対応することが求められています。

ベクターのモデルベースE/E開発ツール「PREEvision」は、方法論に基づいた整合性あるサービス指向アーキテクチャーの設計をサポートします。ユーザーはサービスインターフェイスの定義からサービスのインタラクションの指定、そしてAUTOSARに対応したEthernet設計に至るまで、すべてを統合されたワークフローに沿って進めていくことができます。Ethernetに加えてCAN、LIN、FlexRayなどの他のバステクノロジーも使用する場合は、混合型トポロジーも設計できます。システム設計者はPREEvisionを使用することで、従来の組込設計と最新のサービス指向を用いたバックエンド通信とを組み合わせるという困難な課題を解決できます。このようにPREEvisionは、自動車を「走るデータセンター」へと変貌させることを強力にサポートします。

本稿は、ドイツで発行された『Elektronik automotive, magazine Special issue, Automotive Ethernet – March 2017」に掲載された記事内容を和訳したものです。

システム全体に目を向ける

一貫したAUTOSARシステムビューの実現に価値がある理由

13年前に産声を上げたAUTOSAR仕様は、今日では効率的なE/E開発(電気/電子開発)を実現するものとなりました。そしてそのシステム思考は、近年も継続的な拡張が行われる一方で、今なおこの標準規格を支える柱であり続けています。AUTOSARは常に、個別のECUや通信バスにではなく、システム全体に目を向けてきました。デジタル化が進む自動車業界では、このようなシステムへの視点、すなわちシステムビューの果たす役割がさらに重要なものとなりつつあります。この視点こそが、「Adaptive Platform」とともに、次世代の車載エレクトロニクスシステムへの道を開いてくれるのです。

本稿は、ドイツで発行された自動車技術誌『Elektronik Automotive, issue 10/2016』に掲載された記事内容を和訳したものです。

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