センサーシミュレーション: ADASと自動運転のための環境認識
環境の検出は運転支援と自動運転(ADAS/AD)の基盤です。DYNA4による車両と環境のシミュレーションにより、運転機能の開発やテストに使用できる、LIDAR、カメラ、レーダー、超音波などのセンサーのモデルを得ることができます。DYNA4では、テスト対象システムの境界に応じて、物理学に基づくセンサー生データから、フュージョンにより作成されたオブジェクトリストに至る、さまざまなレベルの仮想のセンサー入力が与えられます。これによって、以下のようなユースケースが可能になります。
- 仮想的に生成したカメラ画像やLIDAR点群を用いたオブジェクト検出のテスト
- レーダーやカメラなどの複数のセンサーから得られるオブジェクトリストを用いた、センサーフュージョンアルゴリズムのテスト
- フュージョンにより作成されたオブジェクトリストを入力とする、ADAS/AD機能のテスト

物理学に基づくセンサー生データから、フュージョンにより作成されたオブジェクトリストに至る、さまざまなレベルの仮想のセンサー入力
関連情報
特長
- センサーベースのADAS/AD機能を開発およびテストするためのリアルタイム対応シミュレーション
- センサー設定を決定する開発初期フェーズから、仮想検証までをカバー
- 超音波、LIDAR、カメラ、レーダーなどのセンサーを備えたフル装備のセンサー設定
- 生データ、ターゲットリスト、オブジェクトリストの出力
- 駐車からトラフィック内での自動運転に至る複雑な静的/動的環境をカバーする、多彩なシナリオ
- 環境認識からアクチュエーション、車両のリアルな反応に至る、クローズドループシステムテスト
- センサーのリアルな動きを実現する車両ダイナミクス
- 多数のバリアントを持つテストを自動化することによる、効率的なテストカバレッジ
オブジェクトリスト

オブジェクトリスト: セマンティック画像セグメンテーション
- センサー固有のオブジェクトリスト、またはフュージョンにより作成されたオブジェクトリスト
- 理想化されたグラウンドトゥルース情報、またはオクルージョンの考慮
- バウンディングボックスに基づく非常に効率的な演算処理、または正確なジオメトリックスを考慮したセマンティック画像セグメンテーション
- 出力: 相対速度、距離、オブジェクトクラス
Lidar

LIDAR点群をDYNA4でシミュレーション
- レーザー光線とオブジェクト表面の間の角度、そしてその材料特性に基づく反射強度
- 回転および非回転のLIDARセンサーが利用可能
- 開口角とシグナル分解能を調節可能
- DDSを介したROSトピック通信、またはUDPを介したVelodyne形式での3D点群出力
- 動画:Velodyneセンサーと都市交通を使用したDYNA4での車両シミュレーション
カメラ

超広角ビューを持つ構成可能カメラ
- 最大360°の開口角を持つ構成可能カメラ
- OpenCVまたはScaramuzzaパラメーターによる歪曲収差のパラメーター化
- レンズ汚れのサポート
- 複数の画面にRGB画像ストリームを表示し、画像挿入に利用
- MiL(アルゴリズム開発)からHiL(ECUでの画像挿入)に至る用途に対応
- 動画:DYNA4での仮想ADASテストに使用する構成可能カメラ
超音波

駐車シナリオでの超音波センサーシミュレーション
- 伝搬と大気減衰を考慮
- オブジェクトのジオメトリーと材料特性に基づく吸収と反射
- 調節可能な開口角とシグナル分解能
- 強度-深度ヒストグラムの出力
レーダー

ACC、AEB、BSDなどのADAS機能開発の入力に使用できる、レーダーセンサーシミュレーション
- オブジェクトのジオメトリーと材料特性に基づくレーダー散乱波
- 異なるアンテナ特性(短距離、中距離、長距離)を考慮
- 調節可能な開口角とシグナル分解能
- 電界強度だけでなく、相対速度やオブジェクトまでの距離といった生データの出力や、GPUベースのフーリエ変換によるレンジドップラープロットの生成