DYNA4による燃料電池シミュレーション
Case Study Fortis Saxonia

DYNA4による燃料電池シミュレーション

ケムニッツ工科大学のFortis Saxoniaチームは、水素自動車のプロトタイプを開発し、それらの車両でレースに出場しています。そしてこの動力源には固体高分子形燃料電池が使用されています。

課題

実際のレース環境でのH2消費量の最適化

レースの目標は水素消費量を最小限に抑えることにあり、その実現に向けて燃料電池の制御の最適化などが行われます。中でも燃料電池のファン制御は、反応プロセスに必要な酸化剤である酸素の供給と、燃料電池の最適温度の維持とを同時に行う点から、重要な制御変数となっています。最適化は測定ベースでは時間を要するため、SIL (Software-Inthe-Loop) を使用して事前に実施します。そのためにはレース中の車両のセルの挙動をリアルに表現すると同時に、リアルタイム性と十分な精度をモデルに与えることが求められます。

ソリューション

DYNA4と燃料電池モデル

燃料電池モデルの検証:青は測定データ、赤はシミュレーション
燃料電池モデルの検証:青は測定データ、赤はシミュレーション

DYNA4を使用して車両シミュレーションのための包括的かつモジュール式のSimulinkモデル環境を提供します。燃料電池も含めたDYNA4の車両モデルを測定データを基に検証し(検証を参照)、それを仮想のレースに使用します。

最適化を成功させるには物理的な燃料電池のモデルが非常に重要になります。これをセル電圧に使用します。

燃料電池の分極曲線
燃料電池の分極曲線

極めて理想的な状況では、負荷時の電圧曲線は電流のみに依存します(分極曲線を参照)。ただし、特にレース中はセル温度などの影響が大きくなり、この依存関係ははるかに複雑なものになります。測定データに基づいてパラメーターフィッティングを行うことにより、一部に非線形性の強い方程式成分を持つ、リアルな電圧曲線を正常に再現できます。温度モデルには古典的な流体力学に基づく熱バランスモデルが使用されています。

 

導入メリット

  • ECUコードをシミュレーションで最適化
  • 時間のかかる測定作業やレースによる評価を削減
  • ファン制御で燃料電池の効率を最適化する際の時間を短縮
  • モジュール式のSimulinkライブラリによる、シミュレーションモデルの柔軟なアーキテクチャ

関連情報

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