CANoe.DiVaの概要
DiVaは、CANoeのオプションです。DiVaはCANoeの機能を拡張し、ECUの診断通信機能の評価を行うテストモジュールの自動生成と、その自動実行を可能にします。CANdela形式またはODX形式の診断データベースを利用して、ECUの個別仕様に対応したテストを生成します。
生成したテストをCANoeで実行し、テストレポートを自動生成します。CANoe.DiVaは引き続き、テスト結果の評価とその後の作業をサポートします。
特長
- CANdela形式またはODX形式の診断データベースを利用して、ECUの診断通信機能を広範に評価するテストモジュールとそのテスト仕様書を自動生成
- テストの自動実行とテストレポートの自動生成
- さまざまな診断プロトコル(UDS、KWP2000、GMW3110、OBD)に対応。また、自動車メーカーの独自仕様への対応も強化
- テスト仕様の詳細を、簡単に調整可能
- CANoeテスト機能と連携して、テストの自動化を実現
これらの機能により、コストと工数を削減しつつ、同時にECUの診断通信機能の品質を向上させます。







適用分野
テストの生成とその自動実行は、ECUテストにおいて重要な要素です。ECUサプライヤーはその開発工程で、回帰テストやリリーステストなど、さまざまなテストを行います。自動車メーカーもまた、インテグレーションテストやリリーステストなど開発の各工程で数多くのテストを行います。
CANoe.DiVaは、お客様がこれらのテストを行われる際に強力なサポートを提供します。DiVaでは、設定やプラグイン機能で修正や機能拡張を行い、自動車メーカーやECUサプライヤーの独自要件に対応することが可能です。
バージョン14の主な特長
- D-PDU APIを利用する診断ジョブのテスト
- タイミング、プロトコル、サポートされているサービス、システムコンディションとして自由に設定できる期待値(例:最低電圧値)のテスト
利点:開発/生産フェーズで使われる診断ユースケース、アフターマーケットでのテスターやOTAサービスを自動評価、リグレッションテストも可能。テストは、ECUと診断プロシージャが連携できているか双方を評価。開発途上で未完成な部分(例:オンボードテスター機能)をエミュレーションすることで、早い段階から診断プロシージャの評価を可能としている。
- 新しい60V対応 ベクターVTシステム(VT2808、VT1104、VT7101)をサポート
- DiVaプロジェクトをコンティニュアスインテグレーション(CI)環境やリグレッションテストでより利用しやすくするため、内包されるファイル等をすべて相対パスで指定可能とした
- 生産性向上と高精細ディスプレイに対応したGUI
- UDSテスト:リードオンリーDIDが上書きできないことのテスト
- OEM固有テストシーケンスをサポートするエクステンションのアップデートと新規追加(実行には条件があります)
機能
DiVaはテスト生成仕様の設定調整、テストの生成、テスト結果の解析支援などの機能を備えており、併せてテスト要件のトレースとテストの自動制御も可能です。
DiVaは、CANdela形式かODX形式の診断データベースファイルから、設定されたテスト深度に従ってテストモジュールを自動生成します(正常な場合と異常な場合の、すべてのケースについてテストを実施します)。このとき同時に、テストの手順や内容を詳細に記したテスト仕様書も生成します。また、DiVaは、CANoeコンフィギュレーション用のテスト環境ファイルを自動生成します。テストはプロトコルとアプリケーションの両方のスコープをカバーします。有効/無効なシーケンスによるECUの(リ)プログラミングシーケンスもチェックされます。テストを実行すると、テストの過程と結果をわかりやすく記録したテストレポートが自動生成されます。CANoe.DiVaはテストレポートのソート、比較、フィルタリング、コメントの追記、要件のリンク、テストおよびテストの後処理を通じて、テスト結果の解析をサポートします。ユーザーが設定したコメントや要件はテスト実行のシーケンスを通して維持されます。
- フィジカル/ファンクショナルアドレッシングと通信タイミング
- メッセージフォーマットのテスト: 有効な要件と無効な要件の処理
- さまざまなセッションやセキュリティー機能のテストでのサービスの実行あるいは除外処理
- データの種類とデータ値の確認
- パラメーター対パラメーター: 書込み/読込みの比較
- パラメーターを期待値と比較(CCP/XCPで読み出した値)
- パラメーターをI/Oまたはネットワークのシグナルと比較
- VTシステムやその他のHILと連携して、ネットワーク信号エラーや電気的エラーなど、エラーが発生する状況を自動的に作り出し、そのエラーを除去
- 適切なDTC設定、リセット、レポートをプロトコルと仕様に準拠して包括的にチェック
vFlashの併用によるECUのフラッシュプログラミングシーケンスの検証です。CANoe.DiVaはvFlashがサポートするブートローダー用のテストを生成できます。vFlashは120を超えるブートローダーをサポートしています。CANoe.DiVaが生成するテストには主に以下のものがあります。
- 有効なフラッシングと診断通信のタイミングおよびフォーマットのテスト
- 低電圧/過電圧時のフラッシング
- さまざま段階でのフラッシュシーケンスの中止と、ターゲットを指定したフラッシング中の電源の遮断
- Vector Connection Utilities/AddInを使用した、要件の作成または要件定義システム(Doorsなど)やテストデータ管理システムからの診断要件のインポート
- 生成されたテストを要件に合わせてマッピング可能。これによって要件の追跡が省力化
- 個別の要件に対するすべてのテスト結果の表示
- 要件またはテストデータ管理システムへのテスト結果の集約
- CANoe.DiVaをJenkinsやSubversionなどの既存のビルドおよびテスト環境に統合するための自動制御
- ベクターセキュリティーマネージャーの統合。ベクターセキュリティーマネージャーを通じ、診断通信による認証をはじめとする自動車メーカー固有のセキュリティー機能を提供
- 診断通信による認証とセキュリティーサービスの評価
対応診断プロトコル(標準規格)
- ISO 14229 (UDS): 2006/2013/2020,
- ISO 15765 (Diagnostics on CAN),
- ISO 14230 (KWP 2000),
- ISO 15031/ J1979 (OBDII),
- ISO 27145 (WWH-OBD)
- GMW 3110
- いくつかの自動車メーカーの追加テスト仕様にも対応
関連情報
要素 | 推奨 | 下限 |
CANoe | CANoe.DiVaバージョン12.0は、CANoeバージョン12.0以降のfull、run、pexグレードと組み合わせて使用します。 | |
オペレーティングシステム | Windows 7/8.1/10 | |
CPU | Intel Core i5 3.0 GHz | Intel Core 2 Duo 2.6 GHz |
メモリー (RAM) | 4 GB | 1 GB |
ハードディスク容量 | 2.0GB以上(使用オプションおよび必要なオペレーティングシステムコンポーネントによって異なる) | |
画面解像度 | 1920x1080 |
ダウンロード
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2021-04-07 WhitepaperWhite Paper: Early Production Vehicle Evaluation (PVE) Tests with CANoe.DiVa
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2021-03-26 製品資料車載Ethernetソリューション
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2021-02-18 サービスパックCANoe.DiVa 14 SP2
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2020-12-18 製品資料Solutions for Automotive Ethernet
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2020-11-20 製品資料CANoe.DiVa
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2020-10-15 製品資料Fact Sheet CANoe.DiVa
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2020-08-21 サービスパックCANoe.DiVa 13.0 SP2
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2020-06-08 サービスパックCANoe.DiVa 12.0 SP3
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2020-06-04 アドオンフリーウェアPolarion ALM Connection Utility 2.0.1 for vTESTstudio
-
2020-04-17 アドオンフリーウェアIntland codeBeamer ALM Connection Utility 1.0.0 for vTESTstudio
ニュース/イベント
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- 2021-04-28 Webinar: OBD Diagnostics – Indigo as OBD / WWH OBD Scan Tool
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- 2021-05-18 Webinar: Remote Diagnostics and -Flashing
- 2021-06-02 Webinar: A Brief Introduction to the Diagnostic Protocol UDS (ISO 14229)
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- 2021-06-16 Webinar: View, Edit and Manage Diagnostic Data in ODX Format – Simply and...
- 2021-06-16 Webinar: A Comparison of SAE J1939 and UDS (ISO 14229) Diagnostic...
- 2021-06-23 Webinar: Automated Testing of Diagnostic Protocol Implementation and...
- 2021-06-30 Webinar: UDS Diagnostics Handling in AUTOSAR
- 2021-03-31 Flashing ECUs over CAN (FD), Ethernet, FlexRay or LIN with vFlash
- 2020-12-02 Vehicle Diagnostic Testing – Quick and Easy with Indigo
- 2020-11-18 Diagnósticos en ECU con CANoe y CANalyzer
- 2020-10-14 Validation of UDS Implementation with Continuous Integration and...
- 2020-10-14 Automated Testing of Diagnostic Protocol Implementation and...
- 2020-10-07 Diagnostic Data from One Tool for Many Use Cases
- 2020-09-30 Flashing ECUs over CAN (FD), Ethernet, FlexRay or LIN with vFlash
トレーニング
![[Translate to 日本語:] Indigo Diagnostics Training [Translate to 日本語:] Indigo Diagnostics Training](https://assets.vector.com/cms/_processed_/a/1/csm_Tag_03_01-Training-Theorie_M2_09741_cbd00d18f2.jpg)
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