CANoe .Ethernetの概要
組込システムにおいて、Ethernetベースのネットワークとその上位層のプロトコルの重要性が増え続けています。オフィス環境でのITネットワークと は異なり、組込システムにおいては周期的なデータの送信が重要視されます。さらに、リアルタイムEthernetシステムは、ネットワーク解析ツールの接 続によって発生する外乱に対して、一般的に影響を受けやすいものです。
CANoe.Ethernetは、CANoe従来の機能をEthernetシステム開発のために拡張します。まず、Ethernetインターフェイスを独 占的に割り当てることで、Windowsと他のアプリケーションから独立させ、リアルタイムEthernetシステムへの影響を抑えます。
特長
- データベースへのリンクにより、シグナルとRPCパラメーターへのアクセスが可能
- インターフェイス用ハードウェアのVN5610Aとスムーズに連携し、2点間の接続をモニター
- オペレーティングシステムからの影響を受けずに、データトラフィックのシミュレーションと解析が可能
- 多様なプロトコルレベル(レイヤー2 からレイヤー7)でシミュレーションと刺激入力を行うことができ、プロトコルエラーの生成も可能
- CAPLプログラムのEthernetパケット受信イベントで、パケットとパケット内のシグナルを処理
- Ethernet Packet Builderによる任意のEthernetパケットの送信
- Ethernetインタラクティブジェネレーターによる周期送信と単純なIPv4ソケット通信
- CAPLと.NETプログラミングによるパケットの送受信
- TCPおよびUDPクライアントソケット(IPv4 およびIPv6)のシミュレーションを、独立したインスタンスで、CAPLノードごとに実施
- Ethernetノードおよびゲートウェイのシミュレーション
- すべての車両ネットワークを共通の時間ベースで解析
- 異なるバスシステム間の通信解析とゲートウェイ機能の検証
機能
CANoe .Ethernetは、Ethernet専用の機能をCANoeに追加します。
- Ethernet 32 チャンネルをサポート
- ベクターのVN5610 EthernetインターフェイスとPC のEthernetインターフェイスをサポート
- Ethernetインターフェイスが独立しているため、ネットワーク通信がWindowsオペレーティングシステムやその他のアプリケーションの影響を受けずに済み、リアルタイムシステムでは必須ともいえる要件をクリア
- FIBEX-4.xベースのデータベースとリンクすることで、シグナルおよびRPCパラメーターの使用が可能
- Ethernetとその上位プロトコルのVLAN、AVB、IP、UDP、TCP、SOME/IP、DoIPなどをサポート
- 各種フィルター機能の強化(ハードウェア、測定設定Window、ビューフィルター)
- トレースWindowに各プロトコルヘッダー情報を表示
- ユーザー独自のシグナルプロトコルデコーダーDLLの使用
- Ethernet Packet BuilderによるEthernetパケットの簡易的な送信
- Ethernetインタラクティブジェネレーターによるパケットの周期送信
- CAPLまたは.NETからのアクセスに対応するEthernet用関数ライブラリー
- SOME/IPに基づくECUシミュレーションのためのインタラクションレイヤー
- CAPLの仮想ノードごとに仮想ネットワークインターフェイスを生成し、TCP/IP通信を個別に管理(IPv4およびIPv6)
- 送受信の方向とチャンネルを含んだデータトラフィックのログ機能をサポート
関連情報
プロダクトインフォメーション:
- 製品の詳細情報(PDF)
ベクターのナレッジベースでは、グローバルのお客様FAQを掲載しています。
トレーニング

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