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CANapeを使用したECUキャリブレーション
CANapeの主なアプリケーション領域は、ECUのパラメーターの最適化(キャリブレーション)です。測定実行中に、パラメーターと記録シグナルを同時に変更できます。CANapeとECU間の通信は、マイクロコントローラー固有のインターフェイスにVX1000を介して行ったり、XCPやCCPプロトコルを介し行うことで実現します。また、CANapeはレーダー、LIDAR、ビデオなどの多彩なADASセンサーをサポートします。高性能のハードウェアと組み合わせることにより、毎秒数ギガバイトのデータを保存できます。キャリブレーションデータの管理と、データ管理およびレポート作成を含む手軽な測定データ評価が可能なCANapeは、ECUキャリブレーションのための包括的なツールとなっています。バスデータ、診断データ、アナログ測定データへのアクセスももちろん可能です。
特長
- 標準とオープンインターフェイスを使用したユニバーサルに適用可能なプラットフォーム
- ECU、車両のバス、ADASセンサー、アナログ測定技術などの幅広いソースから測定データを時間同期収集および記録
- CANape logとのインタラクションによるプロセスセーフなロギングソリューション
- ローカルのハードディスク上でのデータマイニングやクラウド上のデータ管理システムvMDMによる測定データの自動評価
- パラメーターを簡単に調整および保存して、それらをPCでローカルに管理またはサーバーまたはクラウドベースのvCDMデータ管理システムに直接転送
- VX1000製品ファミリや車載Ethernetを介し、極めて高い測定データレートで、しかも高いパフォーマンスで制御装置やセンサー(レーダー、LIDAR、ビデオなど)に接続
- 高サンプリングレートのアナログ測定(1MHzのサンプリングレートを用いた高電圧環境下でのインバーター測定)を手軽に統合
- 測定中、または測定データに基づいて、eMobilityAnalyzerライブラリの関数を使用して、電気駆動装置のパワー値などを高い精度で計算
- Matlab/Simulinkとの広範な組み合わせ
- 効率的なラピッドプロトタイピングのプラットフォーム
- サードパーティ製ハードウェアの統合が可能なオープンインターフェイス
- CANapeでの演算と自動化のための統合プログラミング言語
適用分野

アプリケーション領域 測定とキャリブレーション
キャリブレーション
特性値は英数字順または視覚的に表示されます。自由に定義可能なパネルにより、各ユーザーインターフェイスに特性値を表示し、調整できます。特性値の調整により、次の機能を使用できます。

- 特性値はオンラインのECUメモリーで、またはオフラインでCANapeの「ミラーメモリー」で調整。オフラインモードを使用すると、ECUに接続せずにECUパラメーターの前処理または後処理を実行可能
- パラメーターの調整はデータ収集と並行して実行可能
- ECUのすべてのパラメーターを1つのWindow、パラメーターエクスプローラーでキャリブレーション可能
- コード/データのフラッシュ
- 測定時に有効なパラメーター値で測定ファイルからパラメーターセットを生成可能
- パラメーターセットを組み合わせて新しいバージョンを形成し、データをC、HまたはMATLAB Mファイル経由でソフトウェア開発にフィードバック可能
- CDMスタジオを利用してパラメーターセットファイルの管理が可能
- パラメーターセットファイルは調整Windowでの読込み、可視化および編集が可能で、パラメーターセットファイル上の大規模な操作も可能
測定データ収集

CANapeはCCPおよびXCP測定/キャリブレーションプロトコルを使用してECU処理と同時にECU内部の測定変数を収集します。ECU測定データは他の測定データと同時に記録され、様々な方法で表示されます。測定データを記録するには、同時に複数の独立したレコーダーを使用します。
- ECU、ADASセンサー(ビデオ、レーダー、LIDARなど)、バスシステム、アナログ測定変数その他から時間同期データを記録
- ASAM測定データ形式MDF 4.xによる無制限の測定ファイル
- 最適化されたDAQリストによりECUからのデータ転送を最大化
- トレースWindowでバス通信を解析
- インバーター内の電力などの測定中に追加の数量を計算
- 前トリガー時間および後トリガー時間を含む高度なトリガーオプションによるデータ量の最小化
- 様々なタイプのWindowとユーザー定義可能なパネルをグラフィック表示に使用可能
サポートされるハードウェアインターフェイスとプロトコル
- CAN、CAN FD、車載Ethernet、SOME/IP、FlexRay、LIN、SAE J1939、GMLAN、CANopenのバスモニタリング
- XCP on CAN、CAN FD、FlexRay、車載Ethernet、Ethernet、RS232
- VX1000測定およびキャリブレーションハードウェアの高速コントローラーインターフェイス(JTAG、DAP、LFAST、RTP/DMM、Nexus AUX、AURORAなど)
- VX1000搭載のPCIeによる高速プロセッサインターフェイス
- ビデオセンサー用インターフェイス
- DoIP (Diagnostics over Internet Protocol、ISO 13400)
- CCP
- ISO 14230 (KWP2000 on CAN) およびISO 14229 (UDS)、ISO/TF2およびVW-TP2.0トランスポートプロトコル
- ISOトランスポートプロトコルおよびご要望に応じて「AUTOSAR」「BMW」トランスポートプロトコルによるISO 14229 (UDS) over FlexRay
- KWP2000 on K-Line
- DLT
ECU通信

ECUでXCPの能力で対応しきれなくなった場合、VX1000製品ファミリーが使用されます。ECUの実行時間への影響を最少化またはなくしつつ、データ処理能力を高めるため、データへのアクセスはマイクロコントローラー固有のデータトレース/デバッグインターフェイスを介して処理されます。 VX1000ベースモジュールは、XCP on Ethernetを使用してPCに接続します。VX1000測定ハードウェアは、POD(プラグオンデバイス)でコントローラーと接続します。これにより、非常に強力なECUや、レーダーやビデオなどのADASセンサーからもすべてのデータを収集できます。車両、テストベンチ、または実験室での使用が可能です。
次の追加のECUインターフェイスメーカーがサポートされています。
- AUDインターフェイスを使用した高度な測定を可能にするDTS INSIGHT社のRAMScope
- 車両のECU FETKおよびXETK向けのETAS XCP-on-Ethernetインターフェイス
バスベースの測定技術
ベクターハードウェア製品では、すべての一般的なバスシステム、CAN / CAN FD、FlexRay、車載Ethernet、Ethernetにアクセスできます。自動車分野で一般的に使用されている標準に準拠したメッセージ(arxml、FibexまたはDBCで記載されたものなど)は直接サポートされます。ユーザー独自のプロトコルを使用している場合(Ethernet経由など)、それらを個別のドライバー経由で含めることができます。
自動データロギング
CANapeは広範囲の車載テストドライブに使用されます。CANapeに基づいてデータロガーを使用すると、さらに色々なことが明らかになります。
デジタル/アナログ測定
CANapeには以下の測定システムを統合することが可能です。

- ベクターI/Oソリューション
- CANバス経由でPCに接続されたすべての測定データ取得デバイス(Caetec社、CSM社、IMC社、Ipetronik社のデバイスなど)
- すべてのCSM測定モジュール:CANおよびEthernet MiniModuleと高電圧モジュール
- ETAS測定モジュールシリーズES400およびES600 - ES650
- National Instruments社製NI-DAQmxアナログおよびデジタル測定カード
- Jäger Computerized Measurement Systems社製ADwinシステム
- HBM社製QuantumXおよびSoMat eDAQ
- Ipetronik社製XCP on Ethernet経由のMx-SENS 8
追加の測定システムの統合のためにオープンインターフェイスを使用可能:高性能測定ソリューション向けのDAIOインターフェイス(デジタル/アナログIO)。必要なドライバーはユーザー自身で作成できます。開発に際しては、ベクターから開発キット、サンプルコード、ドキュメントやその他サービスをご提供いたします。
ASAM MCD3準拠の測定とキャリブレーション

CANapeのオートメーションインターフェイスには、バスおよびECUデータへのシンボリックアクセスを可能にする機能があります。そのため、潜在的なアプリケーションプログラムに費やされる時間とコストを大幅に削減できるという利点があります。すべてのクライアントアプリケーションは車載バスシステムおよびプロトコルにインターフェイス経由でアクセスできます。これにより、CANapeをテストベンチアプリケーションに統合できます。またExcel、MATLAB、Visual Basicプログラムその他によりこれを制御できます。
CANapeは以下の標準をサポートしています。
- ASAMインターフェイスASAP3
- ASAM MCD 3MC
- iLink-RT
また、以下のCANape固有インターフェイスも使用できます。
- CANape API / CANape TCP
- CANape COM
- Matlab MCD3(MatlabとCANapeのカップリング)
応用分野 ADAS
ADASデータの収集、記録、視覚化 - すべてのセンサーメーカーに1つのソリューションで対応
ADASソリューションの開発において、CANapeはツールチェーンの中心的なコンポーネントです。「ドライバーアシスタンス」オプションを含むCANapeは、幅広いメーカー製のすべてのセンサーとその他の車両のデータストリーム向けのユニバーサルなロギングソリューションであり、検出されたオブジェクトの視覚化および検証、測定データへのメタ情報の付加など、多くの機能を備えています。また、CANapeのオープンインターフェイスを通じて、ほとんどのセンサーやコンポーネントを統合できます。
センサーはVX1000製品ファミリ経由で物理的に、またはVN製品によりEthernet経由で接続されます。
車両側のプラットフォームには車載グレードのコンピューターが使用されます。CANape logは、ハードウェアとソフトウェアが最適な形で組み合わされた高性能のロガーです。検出されたオブジェクトはCANapeまたはvSignalyzerで視覚化および検証されます。
サポートされるセンサー
センサーの種類 | ベンダー/製品 |
---|---|
レーダー | 各自動車部品メーカーのレーダーセンサーを多数サポート(命名権上の理由により掲載なし)。 |
LIDAR |
|
ビデオ |
|
慣性計測装置(IMU) |
|
コンテキストカメラ |
|
お探しのセンサーが掲載されていない場合は、ベクターにお問い合わせください。
応用分野 診断およびフラッシュ
CANapeでは診断データとサービスにシンボリックにアクセスします。記述ファイルにはODXフォーマット、またはベクター固有のCDDフォーマットが使用可能です。
診断テスターとして、CANapeには次の機能があります。
- 診断コンソールで診断機能を選択、パラメーター化、実行
- エラーメモリーの表示と編集、DTCと環境データのシンボリック表示のためのWindow
- 測定、調整および診断データへの統合アクセス(グラフィックWindowでのフォールトメモリーエントリーの視覚化など)
- トレースWindowで診断通信のすべての側面を解析:メッセージ、トランスポートプロトコルデータ、プロトコルデータ、診断データ
- 診断機能経由のA2L定義ECUデータへのアドレス指向アクセス
- 診断機能の時系列シーケンスの視覚化
- 診断シーケンスの自動化スクリプト
- 診断サービスを実行するための使いやすい自動化インターフェイス
- OBD Windowでの専用表示によるOBDデータへのアクセス
XCPおよびCCP経由、診断プロトコル経由で新しいプロトコルバージョンのフラッシュが可能です。
XCPまたはCCP経由のフラッシュ
ECUのドライバーがフラッシュをサポートしている必要があります。
診断プロトコル経由のフラッシュ
ECU内のご使用のフラッシュブートローダーに完全に一致する既存のvFlashプロジェクト経由で信頼できるフラッシュを実行します。CANapeでは簡単にvFlashプロジェクトを選択できます。
Vx1000経由のフラッシュ
ご使用のECUを CANapeにVX1000製品ファミリー経由で接続している場合、フラッシュもこのファミリー経由で実行されます。一部の「脳死」状態のECUもフラッシュできます。
セキュリティ保護されたECUおよびネットワークのテスト
ECUに組み込まれているセキュリティメカニズムは、改ざんや不正アクセスから車両とその機能を守ります。ただし、開発中や運用開始後には、権限を持ったエンジニアがテストや診断用途の目的で車両通信にアクセスすることが可能でなければなりません。
ベクターはSecurity Managerにより、他のベクターツールでも同じ要領で使用できる、統一されたソリューションを提供します。CANapeだけでなく、CANalyzer、CANoe、vFlash、Indigo、CANoe.DiVaもSecurity Managerを使用します。
ユースケース
- 診断:ツール認証
- 診断:バリアントコーディング
応用分野 データ解析
データ解析およびデータマイニング
CANapeでは、幅広いオプションを使用して、過去の測定からのデータを簡単に手動または自動で処理および評価できます。

測定ファイルの自動評価
- 手動で作成した、またはSimulinkモデル環境から生成したDLLのC/C++ベース関数や事前に用意されている関数ライブラリを用いた統合CASLプログラミング言語経由の算術評価
- データマイニングユーザーインターフェイスを利用した大量のデータセットの便利な検索と解析
- 検索条件の簡単なリンクにより、複雑な解析を効率的に記述および実行可能
- 経時的、またはXY表現によるシグナルの表示
- 追加のメタデータで測定データを強化
- 様々なファイル形式へのインポート/エクスポートでのレポートのためにカスタマイズ可能な印刷テンプレート
- 同時ビデオ編集を持つ測定データからのシーケンスのエクスポート
- 測定ファイルマネージャーによる測定ファイルの簡易なハンドリング
バージョン19.0の主な特長
高性能
- A2Lやarxmlなどの非常に大きい記述ファイルを高速に読込み
- 多数の測定ファイルを同時に読込み
- 最大1MHzのサンプリングレートで、オンラインで直接計算
プロセスの信頼性
- CANapeプロジェクトをCANape logを使用したロガーコンフィギュレーションとして使用することも可能
コスト効率
- eMobility-Analyzerでは、電気モーター開発に必要なすべてのパラメーターを、専用コンポーネントを使用せずに計算可能
- モデルの測定とパラメーター化を、有料オプションを使用せずにSimulinkで直接実行
電気自動車のパフォーマンスデータを正確に計算したい。しかし、手に余る高額のソリューションをマスターしている時間はない―。
であれば、使い慣れたCANapeのメカニズムをそのままお使いください。関数ライブラリとして提供されているeMobilityAnalyzerが、インバーター効率や有効/無効/皮相電力などの、電気モーター開発に欠かせないあらゆる物理量を計算します。
1MHzのサンプリングレートですべての高調波が検出されるため、算出値は非常に正確です。
ユーザーはあらゆるECU、ADASセンサー、バスなどをCANape logに接続できます。CANape logは産業用PCをベースにしたデータロガーで、CANapeから直接設定し、最大1GB/秒でデータを記録できます。 CANapeとCANape logをEthernetで接続し、すべての設定と検証をCANapeで行えば、ロガーの設定は完了です。設定ミスの余地はありません。これほど手軽にプロセスの安全性を実現できるのです。
データのロギングはスタンドアローンで行われ、モニタリングと制御はアプリケーションを介して行われます。誰でも簡単に使用でき、専門知識は不要です。
ADASプロジェクトを実装したいが、CANapeがリリースされるまで待つわけにはいかない―。おっしゃるとおりです。ベクターは「ハイパフォーマンス分散レコーダー(DHPR: Distributed High Performance Recorder)」というコンセプトを採用し、極めて多様なセンサーを直接統合できるようにしています。これによって、CANapeコアで開発しなくても、任意の数のセンサーをCANapeに統合することができます。
新しいVN5000 Ethernetインターフェイスのほか、新しいビデオソリューションも物理接続に利用できます。VX1161は自動車用に最適化されたモジュール式のハードウェアで、プラグインモジュール6つ分のスペースが確保されています。これによって、VX1000ベースモジュール、バスインターフェイス、ビデオグラバーを任意に組み合わせることができます。
ADASセンサーは車両の環境に関する詳しい情報を提供します。センサーはデータを解析し、道路使用者を識別して、情報(位置、速度など)をデータオブジェクトとして記述します。センサーはこれらのデータオブジェクトを、オブジェクトリストの形で、データ統合制御装置に送信するなどします。
オブジェクトリストの伝送はシグナルベースで、あるいは一定の構造を持つ事前定義済みのデータオブジェクトの形で行われます。たとえばLIDARの点群を記述したデータオブジェクトを、視覚化するためにCANapeで直接使用できます。シグナルベースの記述の場合、シグナルはデータオブジェクトに割り当てる必要があります。この割当てはCANapeのシグナルオブジェクトアダプターを介して行われます。ソースには、オンラインで測定されるシグナルや、すでに保存されている測定ファイルを利用できます。
検証の際には、専用のADAS Windowにデータオブジェクトをわかりやすく視覚化することができます。これらのWindowには位置情報やリファレンスカメラからの動画といった追加の情報も表示されます。これによって、環境内のどの位置でそのオブジェクトが検出されたのかをすばやく簡単に見ることができます。
vSignalyzerはCANapeから派生したツールです。CANapeにあるすべてのデータ評価用のオプションが、vSignalyzerでもまったく同じように動作します。
データの解析をオフィスで行いたいが、CANapeのライセンスは車両にすでにインストール済みという場合は、CANapeはそのまま使用して、追加でvSignalyzerのライセンスを1つだけご用意ください。CANapeはそのライセンスを認識するため、vSignalyzerをインストールせずにデータを解析することができます。
ライセンスがない状態でCANapeを起動すると、CANapeは制限モードで動作します。このモードでは、プロジェクトとコンフィギュレーションを自由に編集できます。データ解析にはライセンスが必要です。
数百MBの記述ファイル(A2L、 ARXMLなど)が多数含まれているCANapeプロジェクト。それほどのデータ容量であれば、はっきり言って読込みにはかなりの時間がかかります。
この時間を短縮するには、vSignalyzerを使用してCANapeプロジェクトを読み込むだけでOKです。こうすることで記述ファイルが無視されて読込みが高速化し、設定や測定値をすぐに確認できます。ライセンスを別途取得する必要はありません。vSignalyzerはCANapeのライセンスでも動作します。
Simulinkでモデルベース開発をしている場合は、SimulinkのモデルをXCP on Ethernetで直接CANapeに接続できます。さらにベクターの無料のToolboxを使用して、モデルのあらゆる変数を測定し、そのパラメーターを調整できます。この全体を使い慣れたCANapeインターフェイスから実行できます。
CANapeバージョン19.0以降では、従来のオプション「Simulink XCP Server」がなくてもこの操作を行うことができます。
オプション

オプションドライバーアシスタンス
- 非常に高いデータレートでADASセンサーを記録
- ADASセンサーの視覚化と検証
オプションvCDM
チーム内で簡単にパラメーターセットを交換
vCDMなどのキャリブレーションデータ管理システムは、世界中に分散する大規模チームによるコラボレーションを取りまとめます。vCDMには、作業部署の体系化や権限およびバリアント管理のための機能が多数用意されています。また、このシステムは多様なデータソースとツールに対応できるよう、オープンに設計されています。
CANapeオプションvCDMにより、vCDMを使用する多数のユーザーグループに十分な機能が提供されます。ワークフローはアプリケーションエンジニアのために最適化され、CANapeのユーザーインターフェイスに緊密に統合されています。さらに、CANape オプションvCDMは、小規模および中規模のチームにコラボレーションのシンプルなモデルを提供します。
- CANapeと直観的なユーザーインターフェイスのシームレスな統合により、ユーザーにとって非常に使いやすい環境を実現。1つのツールですべての作業ステップを実行。
- 2名の編集者によりパラメーターが同時に変更された場合の競合検出と競合解決による信頼のおけるデータ交換
- パラメーター値の変更の追跡により、高い透明性を実現
- ベクターCloudを使用する際には投資コストなし(運用コストを償却)
- スケーラブルなソリューション:2名から2,000名のユーザーに対応。vCDMへのアップグレードが可能。
- CANapeとvCDMサーバー:2つの実績あるアプリケーションの最適な組み合わせ
- CANapeオプションvCDMは既存のvCDMシステム上でも実行可能
ユーザーはCANapeデータステータス管理を操作します。データのステータスはいずれも他ユーザーと簡単に共有できます。招待されたユーザーは、それらのデータステータスを自分のCANapeに直接ダウンロードできます。ユーザーはパラメーターへの変更をネットワークに送信します。同時に、他ユーザーにより行われた変更がユーザー自身のPCで更新されます。同一のパラメーターに同時に変更を加えた場合に生じる競合は直ちに画面に表示され、ユーザーが解決できます。各パラメーターへの変更は、どのユーザーがいつ行ったのかを確認できます。
オプションvMDM
vMDM(Vector Measurement Data Management)は、開発、テストベンチの運用、車両テストで発生する大量のデータを効率的に管理するためのソリューションです。vMDMを使用することで、測定データを安全に保存し、不正アクセスから守り、分散したチーム間で簡単にデータのやりとりができるようになります。計算の負荷が高く広範囲に及ぶ解析、分類およびレポートを、vMDMではワークステーションコンピューターのパフォーマンス低下を引き起こすことなく実行できます。vMDMオプションを使用するとCANapeおよびvSignalyzerから、vMDMで保存および管理されているすべての測定データに直接アクセスできます。
- テストベンチ、走行テスト、耐久テストから得られた測定データの安全な保存
- 測定データをプライベートまたはパブリックのクラウドに編成し、ユーザー固有の権限を割り当てることによってデータを保護
- 測定データの簡単な検索、フィルタリング、表示
- データインポート中の測定データへの自動的なインデックス付け
- 測定の属性、解析結果や他のシステムの集計データからフレキシブルに使用可能なインデックス
- ユーザーPCのパフォーマンス低下を引き起こすことのないvMDMでの自動データ解析とデータマイニング
- 測定データとメタデータの統計解析に関するプロジェクト固有のレポート
- マルチユーザーオペレーションのためのスケーラブルなソリューション
- vMDMと同様の見慣れた作業環境をシームレスにベクターツール環境に統合。スクリプト、データ解析およびデータマイニング機能を普段使用するvSignalyzerまたはCANapeで定義。
- クラウドベースの運用によりITの負荷を最小化
- CANapeおよびvSignalyzerへのvMDMの統合によるナビゲーション、検索、データ転送
- CANapeまたはvSignalyzerを使用して、vMDM Serverに保存されている測定データをインタラクティブおよび自動的にデータ解析
- ドラッグ&ドロップでvMDM Serverから測定ファイルを簡単にエクスポート
- 動的検索クエリーを保存するためのクエリーを作成
- クエリー結果をCSV形式でエクスポートし、統計解析の作成に使用可能
- データカタログとユーザー権限のセットアップと管理
オプションバイパス
正確な時間動作によるバイパス実行
CANape、VN8900およびVX1000測定およびキャリブレーションハードウェアのカップリングにより、バイパスのための強力で完全なソリューションを得ることができます。VN8900ネットワークインターフェイスが計算プラットフォームとして機能し、VX1000システムがハイパフォーマンスなECU測定/キャリブレーションを実現します。CANapeはソリューション全体を設定し、シグナルとパラメーターを視覚化するために使用されます。
- 複数のバイパス計算を並行して実行可能、有効化または無効化も可能
- 正確な時間動作によるバイパス機能の計算
- リアルタイム性のあるVN8900ネットワークインターフェイスをバイパスアルゴリズムの実行プラットフォームとして使用
- CANapeのVN8900に関するバイパス設定をシームレスに実施可能
- CANapeでバイパスモデルおよびECUモデルを可視化、測定データやパラメーターへのアクセスも可能
- モデルベースのコード生成プロセスからのDLLのランタイム環境として、PC以外にVN8900もプラットフォームとして使用できます。
SimulinkモデルまたはCコードにて機能を定義し、モデルの入出力部分にCANape I/Oファンクションブロックを配置します。コードの生成、コンパイル、リンクが終わると、CANapeにてDLLが使用できるようになるので、統合を実施します。
CANapeでは、モデルの入出力はECUの実際のシグナルにリンクされています。簡単に実行できる設定変更により、バイパスアルゴリズムは自動でCANapeからVN8900に移動します。このプロセスで、関連するすべてのデータと設定がVN8900へとロードされます。VN8900上のモデルランタイムで、ECUからの必要な入力データはVX1000ハードウェア、XCP on Ethernet、XCP on CAN、CAN、またはI/O経由で取得できます。VN8900を設定に使用できるようになります。アルゴリズムの結果は再度同じパス経由でECUに送信されます。その後CANapeを使い、VN8900上のバイパスアルゴリズムおよびECU内のコードの測定と調整を行います。
オプションThermodynamic State Charts
オンラインおよびオフライン解析用の熱力学データや有益な状態図の表示
あらゆる空調や冷却システムの開発およびテストにおいて、圧力や温度などの物理的変数がテストベンチやテスト車両で記録されます。そして、他の測定シグナルやECU内部変数も同時に記録されることが一般的です。エアコンの技術を担当するエンジニアには、システムのパラメーター化、あるいは採用されているコンポーネントや冷却液を評価するために、熱力学的データを視覚化する具体的な手段が必要です。
CANapeの「Thermodynamic State Chart(熱力学状態図)」オプションは熱力学データを他の測定データと同期表示し、有用なオンライン/オフライン解析用の状態図を生成します。
- 使用可能なステートダイアグラムタイプの個々の設計のための多数の設定オプション
- 専門企業であるTLK-Thermo社の豊富なTILMedia 物質ライブラリから熱物性を選択し、実在気体と混合気体の両方に使用可能
- 状態図のオンライン計算と、それに対する等値線の個別の調整
Thermodynamic State Chartsオプションを使用すると、個別に設計された熱力学状態図をわずか数回のクリックで生成できます。これにより、たとえば自動車の冷却回路の解析が簡単になります。様々なダイアグラムの種類を選択できます。
- 圧力-エンタルピー(ph)
- 圧力-比体積(pv)
- 圧力-温度(pT)
- 温度-エンタルピー(Th)
- 温度-エントロピー(Ts)
図を設定する際は、幅広い物質を選択できるだけでなく、混合物の使用も可能です。表示される状態図に関連した温度や圧力などの変数は、物質のデータに基づき、測定されたシグナルから計算されます。サイクル内で欠けている基準点を決定することも可能です。
CANapeにご興味がおありですか?
製品説明
ファクトシート
- 製品の概要(PDF)
プロダクトインフォメーション:
- CANape(PDF)
- オプション ドライバーズアシスタンス (PDF) - ドライバーアシスタンスシステム用のオブジェクト検証とイメージ処理アルゴリズムの最適化
- オプションvMDM(PDF) - CANapeとvMDMを直接接続し、測定データの提供と解析を可能にします。
- オプションバイパス (PDF) - 正確な時間動作によるバイパス実行
- オプションThermodynamic State Charts (PDF) - 熱力学データとさまざまな情報が得られる状態図を表示し、オンライン/オフライン解析に利用可能
コンポーネント | 推奨要件 | 最小要件 |
---|---|---|
プロセッサ | Intel Core i5 3.0GHz以上 | Intel Core 2 Duo, 2.6 GHz |
メモリ(RAM) | 16 GB(タスクによってはシステム要件が厳しくなることがあります。詳しくはCANapeのサポート担当者にお問い合わせください) | 8 GB |
ハードディスク容量 | ≥ 10 GB (タスクによってはシステム要件が厳しくなることがあります。詳しくはCANapeのサポート担当者にお問い合わせください) | |
画面解像度 | 1600 x 900 | 1024 x 768 |
グラフィックカード | DirectX 9.0c以上 | |
オペレーティングシステム | Windows 10(64ビット)/Windows 11(64ビット) |
すでにCANapeをお使いで技術的な疑問がある場合
お問い合わせ

CANapeに関するご質問がありましたらこちらからご連絡ください。