802.11pベースの通信アプリケーションの解析
.Car2xオプションは特に、IEEE 802.11pに従ってWLAN経由で通信するECUの解析に適しています。これにより、Car2x ECUの実装機能を目的の方法でテストできます。
CANoe .Car2xは、要求事項を最適に満たすよう設計されています。ユーザーは、Car2xドメインの要求事項に完全に適合する高度なツールを使用できます。CANoe .Car2xは、IEEE(米国)およびETSI(EU)が世界規模で公開している一般的な標準規格とプロトコルをサポートしています。
さらに、CANoeに備わっている便利な機能もすべて使用できます。CANoeと.Car2xオプションを使用すると、802.11pベースのECUの量産を開始するためのマルチバステストツールを理想的に拡張できます。
特長
- 解析 — 個別にカスタマイズ可能な測定ウィンドウを使用して、ECUを解析できます。
- スティミュレーション — ECUの仮想環境を作成できます。
- テスト — ECUをテストできます。
- 視覚化 — シナリオを常時監視できます。
- セキュリティー保護 — セキュリティーを有効にしてECUをテストできます。
- 組合せ — .Car2xオプションとその他のバスオプションを組み合わせることができます。
適用分野
- トレースウィンドウでCar2x固有の通信プロトコルを解析し、データベースに記述されたアプリケーションメッセージ(CAM、DENM、BSMなど)にアクセスし、個々の測定インタフェースを設定することができます。
- ETSI ITS-G5またはIEEE 1609 - WAVEに従ってIEEE 802.11p経由で通信する車載ECUまたはインフラストラクチャ搭載ECUの通信ログを記録できます。
- 署名付きパッケージの検証に必要な証明書を管理できます。
- マップウィンドウ内のロードマップに、複数のオブジェクトの位置と方向および発生イベントを表示できます。また、他のウィンドウと同期して、後続の解析を行うこともできます。
- さまざまなネットワークからデータにアクセスできます。.Car2xオプションを使用してツールチェーンをシームレスに完了し、ゲートウェイ機能をチェックすることができます。
- コントロールチャンネルとサービスチャンネルの同時解析用に、複数の802.11p WLANチャンネルを設定できます。新しい802.11p測定インタフェースVN4610が完全に統合されており、直観的な設定オプションが備わっています。
機能
アプリケーションメッセージ
CANalyzer .Car2xでは、ASN.1で定義された任意のアプリケーションメッセージ(CAM/DENM(ETSI)やBSM/TIM(SAE)など)を使用/送信できます。
Car2xネットワークエクスプローラー
解析
マップウィンドウ
プロトコルアナライザー
トレースウィンドウ
データウィンドウ/グラフィックウィンドウ/ステートトラッカー
セキュリティー
証明書マネージャー
サポート対象のV2X標準規格
.Car2xオプションは、以下のV2X標準規格を使用して通信を行う車載ECUのアプリケーション開発に最適です。
- IEEE 802.11p(物理レイヤー)
- ETSIのITS標準規格
- GeoNetworking(ETSI TS 102 636-4-1およびETSI EN 302 636-4-1)
- Security Header(ETSI TS 103 097)
- Basic Transport Protocol(BTP)(ETSI TS 102 636-5-1およびETSI EN 302 636-5-1)
- 以下をはじめとするETSI ITSアプリケーションメッセージ:
- Cooperative Awareness Message(CAM)
- Decentralized Environmental Notification Message(DENM)
- IEEE 1609 – WAVE
- WAVE Short Message Protocol(WSMP)(IEEE 1609.3)
- WAVE Service Announcement(WSA)(IEEE 1609.3)
- WAVE Security Services(WSS)(IEEE 1609.2)
- WAVEピアツーピアプロトコル(IEEE 1609.2)
- 以下をはじめとするSAE J2735 – DSRCアプリケーションメッセージ:
- Basic Safety Message(BSM)
- Signal Phase and Time(SPaT)
- Map Data Message(MAP)
ハードウェア
VN4610
VN4610は、PCとUSB接続することでIEEE 802.11pやCAN(FD)ネットワークにアクセスできる高機能なインターフェイスです。IEEE 802.11pベースのDSRC(Dedicated Short Range Communication)では、5.9GHzの周波数帯で通信が行われます。
VN4610は、Car2x/V2xアプリケーションの実装に必要なIEEE 802.11pフレームを、フィルタリングを行わずに送受信できます。受信したIEEE 802.11pの無線シグナルベースのフレームは、CAN(FD)メッセージと同期してアプリケーションに転送されます。また、GNSSレシーバーを内蔵しており、GNSS時刻と現在のGNSS位置を取得することもできます。
関連情報
- プロダクトインフォメーション:CANalyzer .Car2xに関する詳細情報(PDF)