CANalyzerの概要
CANalyzerは、バス通信の解析およびスティミュレーションを行うことのできる包括的なソフトウェアツールです。CANalyzerを使用して、バス上で通信が行われているか、また行われている場合はその通信タイプを調べることができます。また、データの送信やログの記録もできます。 CANalyzerは、初心者には強力なベーシック機能、上級ユーザーには豊富な詳細機能を提供しているため、あらゆる用途に対応してします。
特長
- 容易にデータトラフィックのモニター、解析、刺激を実現
- 直観的な操作
- フィルター、ジェネレーター、リプレイなどの機能ブロックは、ユーザー固有の解析方法に合わせた設定が可能
- オフライン解析用のフレームワークにて、バスデータのログ記録とリプレイを統合
- 広範な解析タスクの実行などを目的として、CAPLによる柔軟なプログラミングが可能
適用分野
CANalyzerを使用すれば、ECUまたは車両システム全体のバス通信の解析を、開発作業の現場で、あるいは車両内で直接実行できます。
- トレースWindow (1)
トレースWindowには、メッセージやエラーフレームの送信などのバスアクティビティーがリスト表示されます。各メッセージの個々のシグナル値を表示できます。下記のような機能を使用してデータを解析できます。
- グラフィックWindow (2)
グラフィックWindowを使用して、シグナル、環境データ、診断パラメーターの値をカーブとしてグラフィック表示します。これらのカーブの測定と評価に使用できる機能のいくつかを以下に示します。
- 統計Window(3)
統計Windowには、測定中のバスアクティビティーに関する統計情報が表示されます(CAN、LIN、FlexRay)。ノードおよびフレーム単位のバス負荷、バーストカウンター/期間、フレームおよびエラーのカウンター/レート、コントローラーの状態などが表示されます。
- データWindow (4)
データWindowでは、シグナル値、システム変数、診断パラメーターをさまざまな形式で表示できます。
その他のCANalyzerの解析Windowと機能ブロック
- 測定設定
機能ブロック概要と評価機能のグラフィック表示とパラメーター化
- スコープWindow
[スコープ]オプションで記録されたバス波形の測定値をオフライン表示
- インタラクティブジェネレーター
バスへの刺激入力用、シグナルをインタラクティブに変更して送信
- ログ記録/リプレイ
測定値のログ記録、およびその後の解析やリプレイ
- トリガーとフィルター
バスイベントに対して特定の動作を定義、フィルターは表示またはログに記録するデータ量を削減
- 出力Window
システムメッセージ、およびCAPLプログラムからのユーザー出力
- 詳細はプロダクトインフォメーション (PDF)をご参照ください
CANalyzerに含まれている診断機能セットを使用することにより、KWP2000またはUDSの標準規格に従って診断通信を解析できます。この場合はCANalyzerをECU診断のための診断テスターとして使用できます。さらに、完全なOBD-IIテスター機能も統合されています。
- 詳細はプロダクトインフォメーション (PDF)をご参照ください
CANalyzerを使用してデータを記録し、それをリプレイして測定後の解析に利用できます。インポート/エクスポート機能により、記録したバス通信を時間にとらわれずに処理できます。
ロギングのワークフロー
- ロギングは、測定設定 (1) のロギングブロック経由で実行されます。グラフィックWindow (2) とデータWindow (3) の内容をMDFログファイルに記録することもできます。
- ログに記録されたデータは、オフライン解析用 (4) にリプレイできます。
- 詳細はプロダクトインフォメーション (PDF)をご参照ください
CANalyzerでは、ECUのデータトラフィックをモニターおよび解析するほかに、データトラフィックに影響を与えることもできます。これは、事前設定済みのユーザーインターフェイス内でシグナル値を定義し、それに関連するメッセージを送信するだけで実行できます。
ユーザーインターフェイス
- インタラクティブジェネレーターをCANalyzerで事前定義
- ユーザーが作成可能(「パネルデザイナー」を使用)
プログラム
- ビジュアルシーケンサーを用いたコマンドシーケンスの作成(図を参照)
- CAPLまたはNETからのプログラミングとは別に利用可能
- 詳細はプロダクトインフォメーション (PDF)をご参照ください
バージョン15の主な特長
解析機能
- オフラインソースファイルのタイムオフセットを指定可能
- 異なる内容のログファイルをシーケンシャルに読取り可能
- グローバルなログ設定で、ヘッダーコメントに様々な属性を定義可能
- グラフィックWindowで、選択したシグナルの上に、シグナル、グループ、共通軸を追加可能
セキュリティ機能
- セキュリティパラメーターの自動調整を行い、セキュアなPDUの再生が可能
- セキュリティパッケージでバックエンドへ接続している場合、ステータスバーにバックエンドのステータスを表示
- セキュリティ設定ダイアログでの検索により、セキュリティプロファイルを簡単に検索可能
診断機能
- バリアントコーディングWindowで、バリアントコーディングデータのインポートおよびエクスポート
オプションEthernet
- 新しいプロトコルモニターにより、通信接続状態とアプリケーションレイヤープロトコルをグラフィカルに表示
特殊機能
セキュリティと解析の両立
セキュリティ保護されたECUおよびネットワークの解析
ECUに組み込まれているセキュリティメカニズムは、改ざんや不正アクセスから車両とその機能を守ります。ただし、開発中や運用開始後には、権限を持ったエンジニアが解析や診断用途の目的で車両通信にアクセスすることが可能でなければなりません。
ベクターはSecurity Managerにより、他のベクターツールでも同じ要領で使用できる、統一されたソリューションを提供します。CANalyzer以外に、CANoe、CANape、vFlash、Indigo、CANoe.DiVaもSecurity Managerを使用します。
サポートされているユースケース
- 通信:SecOC − 解析機能のみ
- 診断:ツール認証
- 診断:バリアントコーディング
- TLS:クライアントとサーバーのシミュレーション
- TLS:Master Secretを使用したTLSオブザーバー
- TLS:DoIP over TLS
- IPsec:IKEv2はピア認証に基づく証明書、動作していないピアの検出、IKEフラグメンテーション、IKE Rekeyをサポート
- IPsec:StrongSwan IPsec設定のインポート
- IPsec:セキュリティポリシーデータベースを完全コントロール
オートモーティブ向けCANalyzerオプション
基本オプション
CANalyzerは、CANネットワークの解析を快適に実行できるツールです。さらに、CANalyzerのマルチバスのコンセプトにより、適切なオプションを適用すれば、CAN、LIN、Ethernet、FlexRay、MOSTなどを同時に解析操作することが可能になります。
特長
- CANおよびCAN FD経由での診断機能をサポート
- CANoeオプションScopeおよびオプションAMD/XCPにより、CAN / CAN FDをサポート
- CANおよびCAN FDでのAUTOSARのサポート
機能
- CAN / CAN FDシステムのシミュレーション、解析
- CAN FD固有の機能をCANの拡張として統合
- CAN、LIN、Ethernet、FlexRay、MOSTの各ネットワークに対するゲートウェイ操作および解析
オプションLIN
LIN (Local Interconnect Network) は、スマートセンサーやアクチュエーターなどを備えたECUを接続するために設計された、コストパフォーマンスの高いシリアル通信システムです。ベクターのソフトウェアツールであるCANalyzer .LINは、LIN1.x、LIN2.0、LIN2.x、SAE-J2602 (US-LIN)、Cooling-Busの仕様に従って測定と解析を行う機能を備えています。
主な特長
- 新規CANalyzerオプションSCOPEによりLIN波形の表示をサポート
- LIN統計モニターにより、有用なネットワークおよびノード統計を表示
- ODXまたはCANdelaファイルに基づくLIN診断解釈機能の提供
解析機能
- LDFベースのネットワーク解析
- LIN2.0、LIN2.1およびLIN2.2設定コマンドの解釈
- ODX/CANdelaファイルに基づく診断解釈
- 詳細なエラーおよびイベントの検出
- シグナルを数値またはグラフィックで表示
- ユーザーにて設定可能な表示用パネル
- LINネットワークマネージメントWindow
- LIN統計モニターによるネットワークおよびノード統計
- ログ、リプレイ、フィルター、トリガー各種ブロック
ノードシミュレーション
LDFを用いてマスターまたはスレーブノードを容易にシミュレートできます。マスターのスケジューラーは、LINインタラクティブマスターブロックを使用するか、CAPL言語でプログラミングすることにより制御可能です。
LIN用トレースWindow
LIN用のトレースWindowは、LINのフレーム、エラー、イベントを表示するだけでなく、関連するすべてのLINタイミング情報も表示します。
オプションFlexRay
ベクターのCANalyzer .FlexRayは、分散リアルタイムシステムの解析に使用できる汎用ツールです。CANalyzer .FlexRayは、簡単なネットワーク解析から複雑な問題に対する集中的なトラブルシューティングまで、あらゆる分野をカバーします。マルチバス対応機能により、CAN、LIN、MOST、Ethernet、FlexRayバスシステムを同時に処理することができます。
提供される基本機能には多種多様な用途があります。基本機能は以下のとおりです。
- バスデータトラフィックの表示(トレース)
- シグナル値のグラフィックおよびテキスト表示
- 対話形式による定義済みPDUおよびフレームの送信
- 統計Windowとクラスターモニターによる、ノードおよびメッセージ統計表示
- メッセージのログ記録(記録内容はリプレイまたはオフライン評価可能)
- 解析Windowでのサイクル多重化、サイクル内繰り返し、PDUを分かりやすく表示
オプションEthernet
オプションEthernetを使用すると、CANalyzerの機能を拡張し、Ethernetネットワークに対応することができます。まず、Ethernetインターフェイスを排他的に使用することで、Windowsやその他のアプリケーションによるリアルタイムEthernetシステムへの干渉を抑えます。また、VN5600インターフェイスファミリを使用すれば、ポイントツーポイント接続のモニタリングが可能になり、測定のためにトポロジを変更する必要もなくなります。
オプションCar2X
車両間または車両とインフラ間の通信は無線LANの標準であるIEEE 802.11p(ETSI ITS-G5またはIEEE 1609 WAVE)経由で行われます。CANalyzer.Car2xは、IEEE 802.11pに準拠した無線LANチャネル対応をCANalyzerに追加します。これによって、Car2x固有のネットワークおよびトランスポートプロトコルと、これらのプロトコルに乗せたアプリケーションメッセージの両方を直接解析できるようになります。
オプションMOST
CANalyzer .MOSTは、ベクターのツールに共通する親しみやすい操作性を備えた便利なMOSTバス解析ツールです。MOST25、 MOST50、MOST150の各ネットワークが解析でき、すべてのMOSTチャンネルにアクセスできます。同時にCANネットワークを解析することも可 能です(マルチバス機能)。
CANalyzer .MOSTは、MOST通信のインタラクティブな解析に役立ちます。さまざまな表示用Windowを利用し、柔軟かつ動的に実際のシステム、記録されたログファイルを解析することができます。
また、CANalyzer .MOSTは定型的な多くの作業からユーザーを解放します。定型的な作業を解析スクリプトで記述し、CANalyzer .MOSTで繰り返し実行することができます。こうして、再現可能で信頼できる解析結果を得ることができます。
特長
- トレースWindowでMOSTメッセージを広範に逆アセンブル
- マルチバスシステムのイベントを、時間同期機能により時系列で表示
- MOSTシステムに対して多彩な方法でスティミュレーションまたはストレスを生成
- Electrical Control Line (ECL) にアクセス
- アイソクロナスチャンネルのスパイ機能:PCへデータをストリーミングすることにより、ハードディスクへの記録と、VLCなどのメディアプレイヤーでの視覚化を可能に
適用分野
- MOST通信をインタラクティブに、またはCAPLを用いて解析
- ゲートウェイ開発:CANalyzer .MOSTを、任意の方法でCAN、LIN、FlexRay、Ethernetバリアントに組み合わせることができます。ゲートウェイECUに関わるすべてのバスシステムを、同期された1つのグローバルクロックに基づいて解析できます
MOST25/50/150 スピードグレードをサポートするCANalyzer .MOST
以下の表は、CANalyzer .MOSTがサポートするすべてのスピードグレードの特性概要を示しています。多くの実績がある、トレース、データ、グラ フィックWindow、ファンクションブロックモニターなどの解析機能を利用できます。フィルターオプションとMOSTリングへの刺激入力用インタラク ティブジェネレーターブロックもMOST50およびMOST150に対応しています。
MOST機能 |
|
コントロールチャンネル | ノード/スパイ |
CMS | あり |
AMS | あり |
非同期チャンネル (MDP) | ノード/スパイ |
生パケット | あり |
MOST High Protocol (MHP) | スパイ |
Ethernetチャンネル (MEP) | ノード/スパイ |
Electrical Control Line (ECL) | ノード/スパイ |
システム状態( ライト、ロック、システムロックなど) | あり |
オーディオ/同期チャンネル |
|
アロケーションテーブル | あり |
LineIn/LineOut | あり |
S/PDIF In/Out | あり |
PCへのストリーミング | あり |
アイソクロナスチャンネル | スパイ 1 |
ストレス |
|
コントロールチャンネルのバス負荷 | あり |
非同期チャンネルのバス負荷 | あり |
Ethernetチャンネルのバス負荷 | あり |
Unlock生成 | あり |
ECL Stimulation Sequences | あり |
ログ記録 |
|
コントロールチャンネル、非同期チャンネル、 | BLF, ASC, IMG, OP22, CCO2, CC32 |
同期チャンネル | なし |
ハードウェアインターフェイス | VN2640 |
1 インターフェイスにVN2640を使用した場合
2 すべてのチャンネル、詳細情報が含まれるわけではありません
上位アプリケーションプロトコル向けCANalyzerオプション
オプションJ1939
CANalyzer.J1939は、J1939ネットワークの開発、診断、テストなどを行うさまざまな環境で使用できます。特定条件下におけるネットワークのシミュレーションも可能です。SAE J1939規格は、NMEA 2000®、ISO 11783、ISO 11992(トラック=トレーラー間通信)、FMS (Fleet Management System)、GB/T 27930のネットワークのベースであるため、CANalyzer.J1939は、これらのJ1939派生ネットワークのモニターやデバッグもできます。その他のCANalyzerオプションを組み合わせれば、複数のバスをまたいだシステムに対し、共通の時間ベースと統一された手法を用いてアクセスできます。
オプションJ1587
J1587 をCANoe/CANalyzer にシームレスに統合することにより、ネットワークへのアクセスを非常に簡単にすばやく確実な方法で行うことがで
きます。トレースWindow にプロトコル固有情報を表示できるほか、このオプションをJ1939 やLIN などの他のオプションと組み合わせることにより、システム全体を1 つのツールで解析およびシミュレーションできます。そのため、時系列に相関関係のあるプロセスを複数のバスにまたがって評価できます。
オプションCANopen
CANalyzerの強力な機能とCANopenへの機能拡張を組み合わせて使用することにより、CANopenシステムの開発とその構築およびサポートの両方で使用できるツールを手に入れることができます。CANalyzer.CANopenにより、開発者は、解析、デバイス設定のためにCANopen固有の機能を利用できます。これらは、CANopenネットワークに携わる業務において、必要不可欠な機能です。
測定用CANalyzerオプション
オプションScope
オプションScopeは、極めて高機能なUSB接続オシロスコープハードウェアを使用した、CANalyzer用の統合オシロスコープソリューションです。このCANalyzerオプションは、プログラム内では設定、バスレベル、プロトコルデコードの各ビューを含む、解析Windowとして表示されます。対応するハードウェアは、CAN/CAN FD/FlexRay x 2またはLIN x 4用に最大4つの入力チャンネルを装備し、ベクターのインターフェイスハードウェアの (VN1630A/40A、VN8900、VTシステムなど) syncラインによってトリガーされます。
オプションScopeは、CANalyzerの全グレードで使用できます。
特長
- CANoe/CANalyzerにオシロスコープ機能を統合
- すべての解析をベクターネットワークインターフェイスの時間ベース(VN1630/40など)で実施
- CAN、CAN FD、FlexRay、LINの物理レイヤーのプロトコルをデコード
- アイパターン解析
ユースケース
- CAN FD、FlexRay、LINの解析
- 時間/電圧トリガーによるシグナル(バス、センサー、I/O)の測定
- プロトコルエラーの検出およびトリガー(CANエラーフレームなど)
- 自動車メーカーの仕様書に基づくECUコンフォーマンステスト
- ネットワーク設計の概念実証(バストポロジー、ケーブル、レジスター)
- EMCの問題およびその他の物理的作用のトレース(反射、リンギング、クロストーク)
- アイパターン、ビットマスク解析を使用した自動解析
CANalyzerへの統合
オプションScopeは、独立した解析Windowの形でCANalyzerに緊密に統合されます。このスコープWindowは複数のビューに分かれ、それぞれがコンフィギュレーション、データ収集、後処理のタスクを行うためのユーザーインターフェイスとして機能します。特に重要なビューとして挙げられるのが、バスシグナルの物理レイヤーのグラフビューと、データリンクレイヤーのプロトコルデコードがすべて表示されるトレースビュー間で、これらのビューは相互に完全に時間同期されているだけでなく、トレース、グラフィック、ステートトラッカーといった他のCANoe解析Windowとの同期も可能です。
オプションScopeではまた、ビットレベルのネットワーク解析を、インタラクティブなアイパターンを使用して手軽に行うこともできます。これらはいずれも不適切なネットワークトポロジーの選択、ケーブル特性の不適合、EMCの問題、バス終端処理の誤りなどが原因で生じるネットワークの問題を素早く発見できる方法としても定評があります。
対応するオシロスコープハードウェア
- USBオシロスコープPS5444B-034 (PicoScope)
- 500MS/sのサンプリングレート、512MSのバッファーサイズ
- 4系統の入力チャンネル(CAN/CAN FD/FlexRay x 2またはLIN/センサー/IO x 4)
- ベクターの「Scope Bus Probe 300 MHz」を通じてD-SUBコネクターとバス接続
- スコープチャンネルExt.およびGen.とベクターのネットワークインターフェイスのHW-SYNC入力を「Scope Trigger Y-Cable」で接続
詳細情報
- プロダクトインフォメーション「CANalyzer」 (PDF)
- Webinar recording: Option Scope: Automated Physical Layer Analysis of Vehicle Communication (duration 48 min.)
航空産業向けCANalyzerオプション
オプションAFDX
CANalyzer .AFDXはAFDX®ネットワーク開発の初期段階からメンテナンスフェーズで利用される機能を持っています。ロウフレームが必要な場合でも、あるいはペイロードの内容が必要な場合でも、CANalyzer .AFDXはあらゆるレベルで強力な解析機能を提供します。このツールの利用によって、それぞれのユーザーの要求を充たすことや、複雑なネットワークの構成を把握することもできます。
機能概要
- 容易なデータトラフィックのモニターとさまざまな解析手法を用意
- 測定/解析のパターンを自由に設定、保存
- マルチバス対応
- 1 つのツールで、CAN、AFDX®およびアナログとデジタルI/O に対応
ハードウェアインターフェイス
CANalyzer .AFDXでは、USBインターフェイスのVN5610A、またはTTTech社の AFDXEnd System T(PCI/PCIe用)をそれぞれオプションで使用できます。
データベースによるシンボリックな解析
AFDX®通信そのものは、ICDフォーマットによって記述されています。通常、航空機メーカーが開発に関連する通信内容を記述したファイルをサプライ ヤーに提供します。この情報をCANalyzer .AFDXで利用するために、ICDフォーマットファイルをベクターのDBCファイルに置き換えるための コンバーターも提供されています。コンバートされたDBCファイルをCANalyzer .AFDXのコンフィギュレーションに割り当てることで、ユーザー はCANalyzer上でシンボリックに情報を読み取ることができます。
メッセージ表示
バス上を流れるAFDXメッセージは、リアルタイムにトレースWindowに表示されます。データベースが割り当てられていれば、基になったICDフォー マットに従った情報をシンボリックに得ることができます。この場合バーチャルリンクは、IDが数値で表示されることはなく、シンボリックに名称で表示され ます。情報種別ごとのカラムはユーザーが選択可能で、3種類のカラムレイアウトをすぐに切り替えて利用できます。膨大なメッセージトレースからユーザーが 必要な情報を見失わないように、検索機能も改良されています。
CANalyzer .AFDXの詳細
(AFDX®はエアバス社の商標登録です。)
オプションA429
CANalyzer .A429はARINC 429バスの解析に最適な、最大32チャンネルのデバイスに個別に対応できるツールです。生データが必要な場合でも、あるいは物理的な数値が必要な場合で も、 CANalyzer .A429はあらゆるレベルで強力な解析機能を提供します。このツールの利用によってユーザーは素早く目標を達成できるだけでなく、複雑な ネットワーク構成の概要を把握することもできます。
機能概要
- 容易にデータトラフィックのモニター、解析、スティミュレーションを実現
- 1つのツールでARINC 429、CAN、AFDX®にアクセス可能
- 開発、統合、保守の各プロセスで、フォールト状態を発見して修正
シンボリック表示
バス用のARINC 429ワードはデータベースに記述できます。その際はARINC 429のラベルに読取可能な名前を割り当てるほか、ARINC 429ワードのデータ内容も詳しく定義します。これにはARINC 429ワード内のビット位置だけでなく、データ型と表示名も含まれます。物理パラメーターを解釈して表示するのに用いるため、単位を入力したり、変換式を 定義したりすることもできます。製品にはデータベースエディターが付属します。
メッセージの表示
トレースWindowには、その瞬間のARINC 429バストラフィックが分かりやすくリスト表示されます。データベースが用意されていれば、変換式が自動的に使用されて、表示はシンボリックに行われま す。カラムのレイアウトはユーザーが設定可能で、表示を手軽に切り替えられるよう、あらかじめ設定された3種類のカラムレイアウトが用意されています。検 索機能も改良され、大量のバストラフィックの中からでも、関連するすべての情報を素早く探し出すことができます。
CANalyzer .A429の詳細
- 概要: ファクトシート 「CANalyzer .A429」(英語)
- 詳細情報: プロダクトインフォメーション 「CANalyzer .A429」(英語)
(AFDX®はエアバス社の商標登録です。)
CANalyzer.CANは、簡単なネットワーク解析から複雑な障害のトラブルシューティングまで、大部分のARNIC 825のユースケースをカバーします。マルチバス対応のこのツールによって、複数のチャネルで、CAN (ARINC 825)、A429 (ARINC 429)、AFDX® (ARINC 664)、Ethernetといった異なるバスシステムを同時に扱うことができます。
機能概要
- 容易なデータトラフィックのモニターとさまざまな解析手法に対応
- 測定/解析のパターンを自由に設定、保存
- 複数のバスシステムを同期させた解析
- ARINC 825のプロトコルをサポート
- オープンインターフェイスとメッセージデータベースを利用するコンセプトを採用しており、オリジナルプロトコルにも対応可能
CANalyzer.CANは、A429、AFDX、Ethernet、CANopenなど、他のCANalyzerオプションと組み合わせることができます。
これはPCインターフェイスを介したバスから、画面上のさまざまな評価Windowおよびログファイルへのデータフローをグラフィカルに示すブロックダイアグラムに基づいて直観的に操作できます。システムは、このブロックダイアグラム内でパラメーター化されます。さらに、フィルター、ジェネレーター、リプレイブロックなどの機能ブロックも、このブロックに挿入して設定できます。
機能
CANalyzer.CANは、以下の豊富な機能を提供します。
- バスデータトラフィックのリスト(トレース)
- シグナル値のグラフィックおよびテキスト表示
- 定義済みメッセージをインタラクティブに送信
- ログファイルに記録されたメッセージの送信
- メッセージに関する統計
- バス負荷およびバス障害に関する統計
- メッセージのログ記録をリプレイまたはオフライン環境で評価
- バス障害の生成
特長
- 簡単かつ直観的なユーザー制御コンセプト
- CAPLを使用したプログラミング機能
- 機能ブロックを自由に配置して、データフローを作成
- バス固有の機能に応じた、多様な機能ブロック
- 複数バス間の時間同期
- トレースWindowでは、多様なメッセージ形式を解釈することにより、オブジェクト指向のシンボリックな通信モニタリングが可能。Normal Operation Data、Emergency Event、Node Serviceなどの通信サービスは、それぞれのサービスに応じて個別に解釈され、シンボリックに表示
- 仕様に準拠したメッセージデータベース。このデータベースにはアプリケーション固有のデータも保存可能。全データにシンボル名を割当て可能
- 標準のデータベース形式とプロファイルデータベース形式をサポート
詳細情報:
(AFDX®はAirbusの登録商標です。)
グレード

pro (Professional) グレードは、すべての機能および拡張機能を利用できます。このグレードは、バストラフィックの簡単なモニターから、マルチバスシステムの複雑な解析や刺激入力、テストまで、すべての用途に対応しています。

exp (Expert) グレードは、ほとんどの標準的用途に適しており、CAPLプログラムの作成と実行以外のすべての機能および拡張機能を利用できます。

fun (Fundamental) グレードは、簡単な解析タスクに最適で、インタラクティブな標準機能はすべて利用できます。ただし、プログラミング機能や診断テスター、制御パネルは利用できません。
関連情報
ファクトシート:
機能マトリックス:
プロダクトインフォメーション:
CANalyzerは以下の言語でご使用いただけます。
- 英語
- ドイツ語
- 日本語
コンポーネント | 推奨 | 最小要件 |
CPU1 | インテルCore i7または互換CPU 3GHz以上、4コア以上 | インテル互換 |
メモリー(RAM) | 32GB以上 | 8GB |
ハードディスク容量2 | 20GB以上 SSD/NVMe | 8GB HD/SSD |
画面解像度 | フルHD | 1280×1024ピクセル |
オペレーティングシステム3 | Windows 10(version 1803以上) | Windows 10(version 1803以上) |
1 CANalyzerはコア数の多さよりもクロックレートの高さを優先
2 使用オプションおよび必要なオペレーティングシステム コンポーネントにより異なる
3 仮想OSを除く。仮想マシン上での実行は可能ですが、テストは行われておりません。仮想化により、ベクター製ハードウェアの動作に遅延時間が大きくなるなどの影響が生じるおそれがあります。
ダウンロード
ニュース/イベント
トレーニング

ベクター・ジャパンでは、ベクターのソフトウェアツール、ソフトウェアコンポーネント、最新のバステクノロジーやプロトコルに関する日本語のトレーニングを多数開催しております。トレーニングの概要につきましては、トレーニングポータルにてご紹介しておりますので、是非ご覧ください。