ベクターD-PDU API
ベクターD-PDU APIは、ISO 22900-2で標準化された、車両通信インターフェイス(VCI)にアクセスするためのプログラミングインターフェイスです。
ベクターD-PDU APIは、通信の足元になるVCI(特に通信プロトコルの実装)を抽象化します。
このためD-PDU APIをベースとするアプリケーションはVCIに依存せず標準化されたAPIで作成することができ、特に通信プロトコルの実装を考慮する必要がありません。
特長
既存のベクターハードウェアの使用
- ベクターD-PDU APIを使用して既存のベクターネットワークインターフェイスをD-PDU用にも拡張することで、短時間で適切なアプリケーションに対応することができます。
最適なパフォーマンス
- ベクターD-PDU APIは、パワフルなベクターネットワークインターフェイスの柔軟性と機能を利用します。そのため、アプリケーションに最適なパフォーマンスを実現できます。
同時通信
- ベクターD-PDU APIは、ベクターネットワークインターフェイスの1つのチャンネルを他のベクター製ツールと共有することができます。そのため、CANoe、CANalyzer、CANapeなどで同じチャンネルに対して測定/解析タスクを並行で実行しつつ、お客様固有のアプリケーションでD-PDU APIを使用してバスにアクセスすることができます。これにより、D-PDU APIベースのアプリケーションではトラブルシューティングが容易になるなどの利点もあります。
コストパフォーマンスに優れたソリューション
- ベクターD-PDU APIは、ベクターネットワークインターフェイスをすでに利用していて、さらにISO 22900-2ベースのアプリケーションの使用や開発も行う自動車メーカーやサプライヤー向けの、コストパフォーマンスに優れたソリューションです。そのため、ベクターのバスインターフェイスをお客様固有の診断/フラッシュアプリケーションにも使用することができます。追加のVCIハードウェアは不要です。
適用分野

ベクターのD-PDU APIをECUの開発および診断分野に使用して、診断テスターなどの、自動車メーカー固有のさまざまなアプリケーションを作成することができます。32bitまたは64bitライブラリーをベースにして、32bitまたは64bitアプリケーションを柔軟かつ効率的に開発できます。そのため、開発者はアプリケーションのロジックに集中することができます。
また、D-PDU APIにより、ISO 22900-3準拠の診断サーバーをベースとするアプリケーションでベクターネットワークインターフェイスを使用できるようになります。
機能
対応バスシステム:
- CAN、CAN FD、Ethernet(DoIP)
対応標準規格:
- ISO 22900-2:2017
対応ISO 22900-2プロトコル:
- ISO UDS on CAN(ISO_15765_3_on_ISO_15765_2)
- KWP2000 on CAN(ISO_14230_3_on_ISO_15765_2)
- ISO RAW CAN(ISO_11898_RAW)
- ISO OBD on CAN (ISO_OBD_on_ISO_15765_4)
- ISO UDS on DoIP (ISO_14229_5_on_ISO_134000_2)
マルチチャンネルのサポート
- ベクターネットワークインターフェイス(VN7572やVN8970など)1つに対し、最大8つのCAN/CAN FDチャンネルをサポート
対応ネットワークインターフェイス
ベクターD-PDU APIライブラリーをベクターのCANおよびEthernetネットワークインターフェイスで使用できます。
関連情報
ダウンロード
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2020-10-23 サービスパックD-PDU API 1.0 SP13 (64 bit)
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2020-10-23 サービスパックD-PDU API 1.0 SP13 (32 bit)