VN8810の概要
VN8810は、車両診断などのさまざまな用途に使用できるコンパクトでインテリジェントな診断用ハードウェアで、OBDソケットを介して車両へ簡単にアクセスすることができます。
1つのハードウェアデバイスでECUのリプログラミングや診断スクリプトを実行することができ、外部からフラッシュパッケージやスクリプトが送信されると、VN8810によりスタンドアローンモードで自律的に実行されます。
また、VN8810はリモート診断のアクセスポイントとしての役割も果たすため、診断のエキスパートは現場にいなくても世界中の車両をインタラクティブに診断することができます。
特長
- Intel ATOMプロセッサー搭載のインテリジェントな診断ハードウェア
- ISO CAN FD対応の高速CANチャンネル、On/Offを選択可能な120Ωの終端抵抗
- K-Lineサポート
- DoIP(アクティベーションラインを含む)
- ステータスおよびバスアクティビティー表示用2色発光LED
- 通信インフラストラクチャーへの多様な接続方法
- USB、Ethernet、WiFiを介し、PCからVector Device Managerで簡単に設定可能
- ユーザーのPCが不要なスタンドアローン動作
- スタンドアローンモードでのユーザーインタラクション用キーパッド
- 音響フィードバック用ブザー内蔵
- USB3.0ホスト接続による3G/4Gデバイスへの接続
- OBD-II接続による車両へのアクセス
- 自動車、産業用途に対応する電源電圧および温度範囲
- ラバープロテクター付きの堅牢な筐体
- スタンドアローンモード用アプリケーションのvFlash、vScriptDiagnosticsとIndigo Remote用のAccess Point Compactを用意
適用分野
スタンドアローンフラッシング
リプログラミングの場合、フラッシュパッケージ(設定内容とデータ)はUSB、Ethernet、WiFiを介してPCからVN8810に送信されます。ユーザーはそのVN8810を車両に接続し、ステータスLED付きキーパッドを使ってスタンドアローンでリプログラミングをスタート、簡易的なモニタリングができます。
リモートフラッシング
リモートフラッシングの場合、VN8810はリモートインターフェイス(車両側)として、フラッシュツールのvFlash Remoteと共に使用されます。 vFlash Remoteはインターネットを介して、あらかじめVN8810上にインストールしたアクセスポイントにWi-Fiルーター等を経由して接続します。通信経路上では暗号化されます。
ユースケース:
- リモートでのECUのリプログラミングを、場所に左右されることなく、また組織としての手間やコストをかけずに、簡単に実施
- 特に、一般道でのテスト走行や海外の量産工場などで、評価や製造フェーズで高い自由度と柔軟性を提供
インタラクティブなリモート診断を行う場合、診断アクセスポイントとなるVN8810が従来の診断テスターに代わり、ネットワークインターフェイスとして機能します。
インターネットでリモートサービスを使用する場合、VN8810は車両とリモート診断ソフトウェアIndigo Remote間の診断要求とレスポンスの通信を行います。
現場には診断データベースも専門家も必要ありません。いつでも車両に直接アクセスできます。
関連情報
ファクトシート:
- 製品の概要(PDF)
VN8810 | |
CPU | Intel ATOM E3825デュアルコアプロセッサー、 1.33GHz、2GB DDR3Lオンボードメモリー |
メモリー | 16GB CFastカード |
USB ホストインターフェイス | 1 x USB 3.0 SuperSpeed |
PC/インフラストラクチャーへのインターフェイス | 1 x USB 3.0 SuperSpeed 1 x WiFi 802.11 a/b/g/n、2.4GHzおよび5GHz帯、最高300Mbit/秒 |
キーパッドおよびLED | 2 x 押しボタン、10 x 2色発光LED |
電源電圧 | 6~36 V(OBD経由) |
電力消費 | 定格 9W未満(最大約16W) |
温度範囲 | 動作中: -40°C~+50°C、 保管中: -40°C~+85°C |
対応オペレーティングシステム | Vector Platform Manager用に Windows 7 SP1, Windows 8, Windows 10 |
起動時間 | 20秒未満 |
寸法 | 170 x 110 x 45mm (長さ x 幅 x 高さ)(アンテナ含まず) |
重量 | 約800g |
インターフェイス | |
CAN | 1 x CAN TJA1051(容量性絶縁)、 CAN FD対応高速CAN: 2Mbit/秒、 CAN FD: 最高8Mbit/秒 |
K-Line / LIN | 1 x LIN TLE7269(容量性絶縁)、 通常モード: 20Kbit/秒、フラッシュモード: 115Kbit/秒 |
DoIP | 1 x 高速 Ethernet 100Mbit(DoIPアクティベーションラインを含む) |