Flash Bootloader
ECUリプログラミングのためのソフトウェア

Flash Bootloaderの概要

ベクターのFlash Bootloaderは、ECUを迅速かつ効率的に、しかも安全にリプログラミングするための、汎用的でコンパクトなソリューションです。信頼性の高いベ クターのFlash Bootloaderは、CANを皮切りに、現在ではLIN、FlexRay、MOST、Ethernetなどのバスシステムで、15年以上に渡って世界 中で使用されています。

Flash Bootloaderには自動車メーカー固有の多数のバリアントが用意されているほか、多彩なマイクロコントローラーに対応しています。PCベースの設定ツールであるGENyとDaVinci Configurator Proをそれぞれ使用し、プロジェクトの要件に合わせた設定を行うことができます。

Flash Bootloaderは従来のECUとAUTOSAR準拠のECUのどちらでも使用できます。また、LinuxなどのPOSIX互換オペレーティングシステムを搭載したECUも、時間をかけずに効率よく更新できます。

特長

  • ECUを取り外す必要がないため、効率的で信頼性の高い再プログラミングが可能
  • ECUのメモリー要件が低い(FBL実装に必要なROM/RAMサイズが小さい)
  • 大部分の自動車メーカーと多くのマイクロコントローラープラットフォームをカバー
  • 10年以上に渡って数々の開発/生産プロジェクトに使用されている、実績あるフラッシュソリューション

適用分野

ベクターフラッシュブートローダーは開発、生産、保守時にECUを再プログラミングするための汎用的なソリューションです。これは自動車メーカーの仕様に準拠するだけでなく、それらとの協調が図られています。
再プログラミングはベクターのvFlashを始めとするフラッシュツールで行われます。vFlashに必要なスクリプトはフラッシュブートローダーに同梱されています。

フラッシュブートローダーでは、シングル/マルチプロセッサープラットフォームでのプログラミングが可能です。また、内蔵/外付の各種メモリーに対してもプログラミングするためのオプション機能を装備しています。さらに、メモリー要件が低いことから、リソースが限られているマイクロコントローラーにも非常に適しています。

機能

ソフトウェアのダウンロードは、自動車メーカーの要件に従って、KWP2000かUDSのいずれかの診断プロトコルを使用して実行されます。ブートローダーには、このバスシステムに必要な専用の通信スタックが含まれています。

ブートローダーはECUの保護されたメモリー領域に格納されており、リセット後の最初のソフトウェアインスタンスとして、ブートフェーズで起動します。そして、フラッシュ要求または有効なアプリケーションソフトウェアが存在するかを調べます。ECUを再プログラミングする場合であれば、ブートローダーは再プログラミングを開始し、セキュリティーによりアクセス許可を確認した後に、必要に応じてフラッシュドライバーをバスシステムからECUのRAMメモリーにロードします。その後、ECUの古いソフトウェアを消去して、バスシステム経由で受け取った新しいデータを基にフラッシュメモリーをプログラムします。データの転送後、ECUソフトウェアの妥当性検証が行われます。フラッシュ手順が中断されても、いつでもやり直しが可能です。

フラッシュツールとの通信はバス固有の通信スタックを介して行われます。これにより、ベクターフラッシュブートローダーはCAN、CAN-FD、LIN、FlexRay、MOST、Ethernet のすべてのバスシステムをサポートします。

さらに表示

フラッシュブートローダーにはハードウェアプラットフォームに適合したフラッシュドライバーが含まれており、その中には、不揮発性メモリーチップを確実に消去し、プログラムするためのシステムベースのルーチンが含まれています。ベクターフラッシュドライバーはいずれもリソース要件が低く、HIS(Hersteller Initiative Software:自動車メーカー主導ソフトウェア)のフラッシュドライバー仕様に準拠しています。

さらに表示

プログラミングツール vFlash

vFlashは、ECUをプログラミングするための非常に使いやすいツールで、CAN、CAN-FD、LIN、FlexRay、Ethernetのほか、50種類を超える各種フラッシュプログラミング仕様に対応しています。また、プラグインコンセプトにより簡単に拡張できます。

フラッシュデータの管理 ODXStudio

ODX形式の診断データを作成するための、使いやすいオーサリングツールです。

ベクターの汎用の測定/キャリブレーションツール CANape

XCPを使用したECU開発中のフラッシュプログラミングをCANapeで実行できます。

さらに表示

ブートローダーの設定は、DaVinci Configurator Proか、設定ツールのGENyを使用して、そのアプリケーション固有の要件に合わせて行います。コールバック関数を使用すれば、さらに細かい修正や拡張が可能です。

さらに表示
  • ブートローダー(設定可能なCソースコード)
  • 使用するハードウェアプラットフォーム固有のフラッシュドライバー
  • GENy(設定ツール)
  • ダウンロードプロセスを制御するためのフラッシュ用スクリプト
  • 開発中にフラッシュデータとコンテナを準備するためのHexViewTool
  • マニュアル

さらに表示

オプション

通常のECU に対する不正アクセスは、単純な、あるいは自動車メーカー固有のシード/キー方式を用いた認証方法で防御されています。ただし、安全関連ECU のほか、エンジンのイモビライザー機能やオドメーターなどの機密の車両データが格納されているECU については、オプション機能のセキュリティー(Crypto)モジュールを使用して、それ以上のセキュリティー対策を講じる必要があります。HIS (Hersteller Initiative Software:自動車メーカー主導ソフトウェア)はそのようなセキュリティーの確保を目的として、暗号ルーチンを拡張可能なセキュリティークラスに分け、標準のインターフェイスとともに仕様化しています。

さらに表示

ベクターフラッシュブートローダーのオプション機能「データ圧縮 (Data Compression)」を使用することにより、すべてのフラッシュデータを効率的に圧縮できます。これはLZ77方式を使用した、車載ECU用に最適化されたオプションで、ブートローダーが対応するすべてのマイクロコントローラーで利用できます。
一部の自動車メーカーは、通信ボーレートが一定の場合のフラッシュ手順の高速化を目的として、フラッシュ時のデータ圧縮を指定しています。小容量のデータであっても、フラッシュデータを圧縮すれば時間を短縮できます。インフォテインメント分野の場合のように、フラッシュするデータの容量が大きければ、さらに多くの時間を短縮できます。EOL(エンドオブライン)のプログラミングなどで指定されている周期時間が短い場合も、圧縮によって多くのメリットが得られます。

  • オプション機能「パイプラインプログラミング (Pipelined programming)」では、フラッシュメモリーのプログラミングと次のデータブロックの受信を並行して実行できます。物理的なフラッシュプログラミングの時間を次のデータブロックの送信に使用することで、ダウンロード時間を大幅に短縮できます。
     
  • オプション機能「パイプライン検証 (Pipelined verification)」では、フラッシュメモリーを並行してプログラミングするのと同様に、書き込まれたフラッシュデータをデータブロックの受信と並行して検証できます。
     
  • オプション機能「差分ダウンロード (Delta download)」では、アップロードの際、プログラムコード全体ではなくプログラムの前バージョンとの相違点のみがロードされるため、時間と帯域幅を大幅に節約できます。ECU側には新しいレベルのソフトウェアが正しく生成されます。

さらに表示

ベクターでは、バスシステム経由でのECUの再プログラミング用として、自動車メーカーの仕様に対応したフラッシュブートローダーを個々のハードウェアに合わせて提供しています。これによって、アプリケーション全体やその一部を、ECUを取り外さずに更新することが可能になります。ブートローダーはECUのフラッシュメモリーに常駐し、再プログラミングのプロセスを継続して制御します。場合によっては、ブートローダーの要件が後から変更され、ブートローダーの入替が必要になることがあります。ECUを取り外さずにブートローダーを入れ替えるには、各ブートローダー専用のアップデーターを使用する必要があります。

ブートローダーアップデーター (Bootloader Updater) は、車両内のフラッシュブートローダーの交換を支援します。このアップデーターは、コントローラー側のセキュリティー機構を起動処理に使用して、外部からの妨害でECUが完全に機能停止するリスクを最小限に抑えます。

さらに表示

Measurement and Calibration Protocol (XCP)は、ECU内部パラメーターの測定とキャリブレーションを目的として開発されたプロトコルで、CAN、FlexRay、Ethernet、USB、SPI/SCI などの各種の物理インターフェイスに対応しています。そのため、これを使用してECUを実際に車両から取り外さずに再プログラムすることも可能です。これは、ベクターのCANapeを始めとする汎用キャリブレーションツールのほか、ECU側にXCPソフトウェアモジュールがあれば実行できます。

さらに表示

AUTOSAR準拠のECUに対応するベクターの実績あるフラッシュブートローダーは、適切な拡張機能を用いることで、LinuxなどのPOSIX互換オペレーティングシステムでも使用できます。このフラッシュツールとの通信は、自動車メーカー固有のダウンロード仕様に従い、ISO 13400-2 (DoIP)に準拠したEthernetを介して行われます。フラッシュブートローダーはLinuxランタイム環境に基づいており、アドレスベースのソフトウェアのダウンロードだけでなく、ファイルベースのソフトウェアのダウンロードにも対応します。これによって、開発、量産、車両サービス中に行われる、ソフトウェアの個別のセクションも含めたソフトウェアの更新プロセスが大幅に効率化されます。また、追加で提供されているセキュリティーオプションにより、機密性の高い車両データが格納されたECUを効果的に保護できます。ベクターでは、すべての主要な自動車メーカーと、自動車業界で使用されている組込Linuxシステムに対応したフラッシュブートローダーを提供しています。必要に応じて、ベーシックソフトウェアはその他のPOSIX互換オペレーティングシステムにも使用できます。

さらに表示

関連情報

プロダクトインフォメーション:

Availability:

Supported OEMs:

さらに表示

ベクターのナレッジベースでは、グローバルのお客様FAQを掲載しています。

さらに表示