CANbedded
自動車メーカー固有の各仕様に対応したCAN通信用組込ソフトウェアコンポーネント

CANbeddedの概要

ベクターは15年以上に渡りCANbeddedソフトウェアコンポーネントを提供しており、世界中のほぼすべての自動車メーカーが利用しています。現在 CANbeddedソフトウェアコンポーネントをまったく利用せずにCANネットワークを装備する車両はほとんどなく、CANbeddedは信頼性の高い ECUの通信基盤として利用されています。

車載分散アプリケーション間でスムーズにデータ交換を行う為には、すべてのECUに同じ標準のソフトウェアコンポーネントを使用することが推奨されます。 CANbeddedに含まれるソフトウェアコンポーネントは、機能の組合せにより多様なECU要件を最適にサポートすることができます。厳密な機能は自動 車メーカーの規定によりますが、通常はISO、OSEK、ASAM規格に等の標準規格に基づいた機能を提供します。

CANbeddedに含まれるCANドライバーは、各種のMPU(マイクロプロセッサユニット、8~64ビットコントローラー)で使用できるため、MPUに合わせて最適されたCAN通信スタックが提供されます。

CANbeddedは、GENy(PCツール)とCANデータベースファイル(DBCファイル)を使用して各種機能設定を行う事で、お客様のアプリケーションの要求仕様に適合させることができます。

特長

  • 長年に及ぶ開発から生まれた高い信頼性と実績
  • アプリケーション要件に対応したのスケーラブルなソースコードを生成
  • メモリー要件が低く、実行時間が短い
  • 80を超える多様なハードウェアプラットフォームをサポート
  • プラットフォーム固有/自動車メーカー固有のバリアントを用意
  • 明確で統一性のあるインターフェイス
  • 他のプラットフォームや自動車メーカーへの移植が簡単
  • ECUソフトウェアへの統合が簡単

適用分野

CANbeddedを使用すれば、ユーザーは自動車メーカーの仕様に即したCANメッセージの送受信をCANbeddedスタックに任せ、アプリケーションソフトウェア開発だけに集中できます。ベクターはほとんどの自動車メーカー用に、それら固有のCANbedded機能バリアントを用意しています。唯一のハードウェア固有のコンポーネントであるCANドライバーは、各種のハードウェアプラットフォーム(8~64 ビットコントローラー)に合わせて最適化された形態で提供されています。
ネットワークのすべてのECUがCANbeddedを使用すれば、すべての通信スタックの互換性が保証され、開発のコストと手間が軽減されます。

CANbeddedのシングルチャンネル用バリアントは、1つのCANバスに接続されているECUに最適化されています。また、複数のCANチャンネルでの通信に対応したマルチチャンネル用のバリアントも用意されています。CANbeddedスタックは、ベクターが提供するAUTOSAR basic softwareを使用して、用途に合わせて機能拡張できます。

機能

CANbeddedは、すべてのアプリケーションで同一の、シンプルなインターフェイス (API)を提供します。このAPIは、すべての自動車メーカーとハードウェアの間で可能な限り標準化されています。そのため、ユーザーはCANbeddedをすぐにECUソフトウェアに統合できます。
CANbeddedコンポーネントは、CANメッセージの受信、バスのウェイクアップ、異なるエラーステータス(例:アサーション)といった非同期イベントを、設定可能なコールバック関数を介してアプリケーションにルーティングします。きめ細かく生成される一連のAPIとコールバックは、特定用途のニーズに最も適した形に適応して設定できます。この際、ベクターのツールチェーンが最適なサポートを提供します。

CAN ドライバーは、上位のソフトウェアレイヤーへのインターフェイスを、ハードウェアにできる限り依存しない形で提供します。これによって、上位のソフトウェアレイヤーを、ハードウェアプラットフォームを気にせずに使用または再利用できるようになります。
ハードウェアアクセプタンスフィルターやバスタイミングレジスター用のパラメーターといった必要な設定は、いずれもコンフィギュレーションの作成時に行います。ベクターが提供する設定ツールのGENy には、これらのフィルターやレジスターの設定がプリセットされています。
CAN ドライバーには、以下の基本機能があります。

  • CAN コントローラーの初期化
  • CAN メッセージの送信
  • CAN メッセージの受信
  • オーバーランおよびエラー処理(例:バスオフ)
  • ウェイクアップイベントの通知
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インタラクションレイヤーは自動車メーカー固有の機能バリアントの形で提供されており、シグナルベースで動作します。インタラクションレイヤー以下の機能を担当します。

  • シグナルに含まれている送信タイプ(Cyclic、OnEvent、IfActive など)に応じたメッセージの送信
  • 受信メッセージとシグナルのタイムアウトのモニター
  • シグナルレベルでの送受信の通知
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ネットワークマネジメントの主な仕事は、同一ネットワーク内のECU のスリープおよびウェイクアップの状態の管理です。この機能を処理するのはNM ソフトウェアコンポーネントで、これは自動車メーカーに合わせた各種バリアントで提供されています。自動車メーカーの要件に応じて、OSEK
NM、AUTOSAR NM のほか、自動車メーカー固有のその他のNM アルゴリズムが使用されます。

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通常では、CANbedded トランスポートプロトコルはISO 15765-2 に準拠していますが、VWTP やMCNet といった自動車メーカー固有のTPの機能バリアントも用意されています。ISO 15765-2 準拠のバリアントとしては1999 か2004 のいずれかのバリアントが利用でき、異なるアドレッシング方法 (Normal、Extended、Normal fixed、Mixed) での利用が可能です。

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通信コントロールレイヤーによって、CAN ドライバー、IL、TP、NM などのCANbedded ソフトウェアコンポーネントや、Gateway、J1939、CANdesc をはじめとするCANbedded オプションのECU ソフトウェアへの統合が簡素化します。これは定義済みのシステムの状態
(PowerOn、StartUp、ShutDown、Stop/Sleep、Normal) と、通信の状態 (Net request、Net release) を管理し、以下の機能を備えています。

  • CANbedded ソフトウェアコンポーネントの初期化
  • 状態遷移の調整(WakeUp およびGotoSleep)
  • タイマータスクやステートタスクなどのCANbedded ソフトウェアコンポーネントの周期関数の呼出
  • バストランシーバーの制御
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MICROSAR OSは、マイコン上での利用を目的として設計された、プリエンプティブなリアルタイムマルチタスクオペレーティングシステムです。実績のあるOSEK/VDX-OS オペレーティングシステム標準を拡張した、AUTOSAR OS 仕様に基づいています。
ベクターのMICROSAR.OS は、AUTOSAR OS 仕様に完全対応しており、すべてのスケーラビリティークラスに対応が可能です。

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特別な機能

CANbeddedスタックは、ベクターが提供する以下のベーシックソフトウェアを使用して、用途に合わせて機能拡張できます。

異なるネットワーク同士(CAN-CAN, CAN-LIN)でデータをやりとりするには、実際に必要なメッセージやシグナルだけを相手先ネットワークに送ることができるゲートウェイECUが必要です。

  • ユーザー定義可能なルーティングリレーションシップによって、CAN/LINネットワーク間の接続を自在に設定
  • 完成度の高い標準ソフトウェアコンポーネント
  • お客様のゲートウェイECUの基盤として確実で無駄がなく、効率的
  • 多数の自動車メーカーに対応

CANbedded Gatewayには、あらゆるメッセージやシグナルを受信し、それらをフィルターや変換ルールに基づき、相手先ネットワークに送信する、複雑なメカニズムが搭載されています。ルーティングには以下の種類があり、選択できるようになっています。

  • シグナルルーティング
  • メッセージルーティング(データキュー有/無)
  • TP(トランスポートプロトコル)ルーティング
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CANdescとDEM

診断ソフトウェアコンポーネントCANdesc(desc = diagnostic embedded software component:診断組込ソフトウェア コンポーネント)は、さまざまな自動車メーカー用の診断プロトコルを統一して実装したものです。CANdescは、診断仕様(CDDファイル)に基づいた設定にしたがって生成されます。エラーメモリーを実装するには、DEMコンポーネントを使用してCANdescを拡張します。これにより、完全に自動車メーカー固有のECU用診断ソリューションを構築することができます。

CANdesc:シグナルベースのインターフェイスをアプリケーションとの共通インターフェイスとして提供。これにより、お客様のECUソフトウェアと診断機能の通信が容易になります
 

DEM:アプリケーションソフトウェアは、エラーを検出するとすぐに、関連する診断トラブルコード (DTC: Diagnostic Trouble Codes) の保存を開始する必要があります。このタスクにDEMコンポーネントを使用することができます。

CANdescとDEMは数多くのさまざまな自動車メーカー向けに用意があり、自動車メーカー固有の仕様にも対応しています。DEMはUDSに対応、CANdescはKWP2000およびUDSに対応しています。

 
診断ツール

ベクターでは、仕様から組込ソフトウェアまでの総合的な診断ソリューションを提供しております。

CANdelaStudio

CANoe

CANape

Indigo

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XCP Professional

車載ECUの測定およびキャリブレーションは、CCP (CAN Calibration Protocol)の後継プロトコルであるXCPプロトコル (Universal Calibration Protocol)を使って行われます。XCPのASAM (Association for Standardization of Automation and Measuring
Systems)による標準化の際、ベクターは中心的な役割を担いました。XCPはプロトコルレイヤーとトランスポートレイヤーを明確に区別しているため、CAN、FlexRay、Ethernetなど、さまざまなバスシステムに対応することができます。

PC 側では、CANapeまたはCANoeツールがXCPマスターとして使用されます。その相手方は、ECU内のXCPスレーブです。これを実装しているのがXCP Professionalソフトウェアコンポーネントです。XCP Professionalは、従来の通信スタックと合わせて使用することもできれば、AUTOSARシステム内で使用することも可能です。

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IDはECUを識別するために使われます。IDを基に、ECUのどのバリアントを有効にすべきか(例えば、どちら側のドアなのかなど)が決まります。IDとは実際は、実行時にアクティブになる、ディスクリプションファイルに基づくECUのコンフィギュレーションのことです。IDは、そのECUの初期化時に設定されます。

車載ECUの開発を振り返ってみると、ある傾向がくっきりと浮かび上がってきます。それはECUの加速度的な高性能化です。同時に、バリアントの数も飛躍的に増加しています。このため管理に要する手間が一層増え、コストを押し上げています。こういったコストを減らすには、管理の手間を減らさねばなりません。そのためには、多種多様なバリアントを効率よく管理してくれる、インテリジェントなソリューションの助けが必要です。

自動車メーカーやサプライヤーと長年にわたり協力関係を築いてきたベクターは、ECUバリアントが主にどのような用途で使われるのかを熟知した上で、ECU開発をシンプルにし、管理工数やコストを削減するソリューションをお客様に合わせて最適化してご提供しております。

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関連情報

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ベクターのナレッジベースでは、グローバルのお客様FAQを掲載しています。

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